パンくずリストという名前は知っていても、その効果や注意点について詳しくは知らないという方もおられるのではないでしょうか。
パンくずリストは、ユーザビリティの向上はもちろん、 SEO対策でも重要な役割を担っています。
本記事では、パンくずリストの種類や設置するメリット、注意点について解説します。また、パンくずリストを設置する方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。⇒レイアップに相談する(無料)
パンくずリストとは?
パンくずリストは、ウェブサイトの訪問者がアクセスしているページを把握できるようにするためのナビゲーションツールです。
これは、ウェブページの階層構造をリンクとして表示し、ユーザーがどのページにいるのかを視覚的に示す役割を果たします。
とくに、大規模なウェブサイトやECサイトにおける重要性は非常に高いです。
たとえば、ユーザーがトップページから商品ページに進む際には、パンくずリストがそれぞれの階層を示しているため、上位階層へ戻るのが容易になります。
名前の由来
パンくずリストという用語は、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」に由来しています。物語のなかで、ヘンゼルとグレーテルは森で迷わないように、道にパンくずを置いて目印としました。
このエピソードをもとに、ウェブサイト上ではユーザーがどのページを経由して現在のページにたどり着いたかを示すナビゲーション機能を「パンくずリスト」と呼びます。
パンくずリストの種類は3つ
次に、パンくずリストの種類についてご紹介します。
|
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.位置型パンくずリスト
位置型パンくずリストは、ウェブサイトの階層構造を視覚的に示すための便利なツールです。
このパンくずリストは、ユーザーが現在いるページの位置を階層的に表示するため、サイト内のナビゲーションがわかりやすくなります。
たとえば、「ホーム > カテゴリ > サブカテゴリ > 記事」という形で表示されるため、ユーザーがどのような経路をたどっても一貫した表示が維持されます。
この特徴により、大規模なメディアサイトやコンテンツが豊富なウェブサイトでは、とくに有用です。
また、ユーザーにとって使いやすいだけでなく、検索エンジンにとっても有益であるため、SEO対策としても効果的です。
2.属性型パンくずリスト
属性型パンくずリストは、ユーザーがどのような手順で特定のページに到達したかを示すためのツールです。
たとえば、ユーザーが東京都>港区>1LDK>家賃15万円以内>マンションAにたどり着く過程や、東京都>麻布十番駅>徒歩10分以内>マンションBに到達する過程を示します。
この機能は、異なる経路で同じ最終ページに到達した場合でも、ユーザーごとに異なるパンくずリストを表示します。これにより、ユーザーは自身の閲覧履歴を簡単に確認できて便利です。
3.パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストは、ユーザーが訪れたページの履歴を表示するだけであり、ブラウザの「戻る」ボタンと同じ機能を持つため、現在では、あまり使用されていません。
これに対して、階層型パンくずリストは、現在のページがサイト全体のどの位置にあるかを示し、ユーザーのナビゲーションをサポートするため、広く利用されています。
したがって、ユーザーの利便性を考慮すると、階層型の方がより役立つケースがほとんどです。
パンくずリストを設置するメリットは3つ
次に、パンくずリストを設置するメリットについて解説します。
|
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.検索順位によい影響を与える
ウェブサイトのナビゲーション改善には、パンくずリストの設置が効果的です。パンくずリストはユーザーにとって便利なだけでなく、検索エンジンのクロール効率を高める役割も果たします。
サイト内のページ間に適切な内部リンクが増えれば、検索エンジンが効率的にサイト全体をクロールし、ページの関連性を理解しやすくなります。
これにより、重要なページの検索順位が向上する可能性もゼロではありません。
パンくずリストを活用し、サイト全体のナビゲーションを改善できれば、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEO効果が期待できます。
なお、検索順位によるクリック率の平均値については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2.必要な情報にアクセスしやすくなる
パンくずリストの最大の利点は、ユーザーの利便性が向上する点です。
ユーザーは、さまざまなキーワードで検索して特定のページにアクセスします。そのページがどのようなカテゴリーに属しているかすぐにわかれば、大まかなサイトコンテンツの中身を確認できます。
これにより、訪問者はサイト全体の構造を理解しやすくなり、ほかのページへもスムーズに移動が可能です。
また、全体的なサイトのナビゲーションの一部として、グローバルナビやフッターリンク、サイドメニューと一緒に活用すれば、より使いやすいサイト設計の実現も可能です。
3.検索結果画面の情報量が増える
パンくずリストを構造化データと併用すれば、検索結果画面にそのリストを表示させられます。これにより、ユーザーはサイトの構造をより簡単に理解し、効率的に情報を探索できるようになります。
表示領域の広がりにより、クリック率に直接的な影響をおよぼす可能性は少ないものの、ユーザー体験の向上は可能です。
このため、サイトのナビゲーションとしてパンくずリストを導入すれば、ユーザーの利便性が高まります。
パンくずリストを設置する際の5つの注意点
次に、パンくずリストを設置する際の5つの注意点について解説します。
|
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.サイト内の構造を明確に設計する
ユーザーにとってわかりやすいパンくずリストを作成するためには、最初にサイト内のディレクトリ構造を整理しておかなければなりません。
なぜなら、サイトのコンテンツが増加するにつれて、ディレクトリ構造の変更が困難になるためです。
最初にしっかりとしたディレクトリ構造を設計しておけば、ユーザーが簡単に目的のページにたどり着けるようになります。
また、階層が深すぎたり、カテゴリ分けが不十分だったりすると、クローラーがページをクロールしづらくなるだけでなく、ユーザーにとっても使いにくいサイトになってしまいます。
このため、パンくずリストがユーザーのナビゲーションを助けるようにするためには、サイト全体の構造をシンプルかつ明確に保つ工夫が不可欠です。
2.関連性のあるパンくずリストを作成する
パンくずリストは、ウェブサイトのナビゲーションを容易にするための重要な要素です。
関連性の高いパンくずリストを作成すれば、ユーザーと検索エンジンの両方にとって、サイトの構造が明確になります。
たとえば、料理レシピに関するページでは、「料理レシピ>煮物>肉じゃが」といった関連性の高い流れが理想です。
一方で、「料理レシピ→煮物→玉子焼き」といった流れは関連性が低く、情報の正確な伝達を妨げます。
もし、関連性が低い場合は、サイト内構造を再検討し、パンくずリストを適切に整理しましょう。
3.TOP以外の全てのページに設置する
パンくずリストは、ウェブサイト全体のユーザビリティ向上に寄与する大切な要素の1つです。
とくに、ユーザーがさまざまなキーワードを使用して特定のページにアクセスする場合、パンくずリストがあれば現在のページの位置やほかの関連ページへの移動が容易になります。
このため、全てのページへパンくずリストを設置するのが理想的です。
ただし、特定の目的で設計されたページ、たとえばコンバージョンを目指すページでは、ユーザーの集中を妨げないためにパンくずリストの設置を省略する場合もあります。
4.スマートフォンで見やすいフォントサイズと位置か注意する
スマートフォンにおけるウェブサイトのデザインを最適化する際には、表示領域の制約を十分に考慮しなければなりません。
とくに、パンくずリストを設置する場合、デスクトップでは問題なく表示できても、スマートフォンでは適切なレイアウトにならない可能性があります。
このようなリスクを避けるために、パンくずリストを横スクロールに対応させるのも一つの有効な方法です。これにより、メインコンテンツの表示領域を確保しつつ、ナビゲーション機能を維持できます。
5.アンカーテキストにキーワードを含める
ユーザーに現在のページ位置を把握しやすくさせるためには、アンカーテキストに適切なキーワードを含めるようにしましょう。
これにより、検索エンジンもページのカテゴリやコンテンツの関連性を理解しやすくなります。
ただし、無関係なキーワードを使用すると、ユーザーの混乱を招き、サイトの信頼性を損なう可能性があります。
したがって、パンくずリストにはページ内容と関連性の高いキーワードを用いるようにしてください。
なお、アンカーテキストの詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
パンくずリストを設置する方法
次に、パンくずリストを設置する方法について解説します。
|
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.プラグインを使用する
WordPressを利用する場合は、パンくずリストの機能はテーマによって初期搭載されているケースもありますが、そうでない場合はプラグインの導入が手軽で便利です。
たとえば、SEOに関するプラグインが未導入であれば、「YoastSEO」の検討がおすすめです。このプラグインは、パンくずリストのほかにも、SEO全般に役立つ機能が多く含まれています。
また、シンプルにパンくずリストだけを追加したい場合には、「Breadcrumb NavXT」もおすすめです。このプラグインは設定が容易で、外観>ウィジェットから必要な場所にドラッグするだけで設置できます。
2.HTMLで記述を追加する
全体のリストをnavタグ内に配置します。navタグはパンくずリストの構造を明確にし、検索エンジンのクローラーに対するナビゲーションセクションの識別を容易にします。
次に、navタグ内にolタグを子要素として配置してください。CSSでのスタイリングを容易にするため、class名を「breadcrumbs」と設定するのが一般的です。
続いて、olタグ内に現在のページより上位の階層数分のliタグを追加します。ユーザーの利便性を考慮し、現在表示しているページも含めるようにしましょう。
最後に、それぞれのliタグ内にaタグを配置し、リンクテキストを簡潔に記述します。これにより、パンくずリストが完成し、ユーザーにとって使いやすいナビゲーションが提供できます。
パンくずリストでよくある3つの質問
最後に、パンくずリストでよくある3つの質問をご紹介します。
|
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.パンくずリストを設置する場所は?
パンくずリストの設置場所は、ページ上部に固定する必要はありません。
一般的には上部に配置するケースが多いですが、下部に設置してもSEOには影響しません。設置場所を決める際には、ユーザビリティを重視してください。
また、複数のパンくずリストの配置も可能であり、ECサイトや不動産情報サイトなど、取り扱い商品やサービスが多いサイトでおすすめです。
質問2.パンくずリストにはどれくらいのキーワードを含めるべき?
不適切にキーワードを多用すると、「キーワードの乱用」と見なされる可能性があり、手動によるペナルティを受けるリスクがあります。
さらに、長すぎるパンくずリストは表示が崩れ、ユーザーにとって読みづらいものです。また、クローラーも階層構造を正確に認識できなくなる場合があります。
ユーザビリティを高めるためには、自然な表現でパンくずリストを作成し、無理にキーワードを入れ過ぎないようにする工夫が大切です。
質問3.パンくずリストを設置するかどうかの決め方は?
主な判断基準はユーザビリティとSEOのバランスです。ユーザビリティ向上は、訪問者が簡単に目的の情報にたどり着けるようにし、SEOにもよい影響を与えます。
しかし、サイトデザインに合わないパンくずリストや過剰な導入は逆効果となり、ユーザビリティとSEOの両方に悪影響をおよぼす可能性があります。
導入前には、サイト全体の構造やナビゲーション、検索エンジンでのランキングを詳細に診断し、実際に成功した事例や失敗例を参考にするのがおすすめです。
これにより、自分のサイトに最適なパンくずリストの導入方法を見極められます。
まとめ
本記事では、パンくずリストの種類や設置するメリット、注意点、設置する方法について解説しました。
パンくずリストは、ウェブサイトの訪問者へ現在の位置を把握しやすくさせるためのナビゲーションツールです。
その名前は、ヘンゼルとグレーテルの物語に由来し、位置型や属性型、パス型などの3つの主要なタイプがあります。
また、パンくずリストの設置により、検索順位の向上や必要な情報へのアクセスの容易化、検索結果の情報量増加などのメリットがあります。
しかし、設置する際には、サイト内の構造を明確化させたり、関連性のあるパンくずリストを作成したりする必要があるため、注意してください。
この記事でご紹介したメリットや注意点を正しく理解して、自社のウェブサイトにパンくずリストを設置してみてはいかがでしょうか。
なお、合同会社LAYUPでは、初めてデジタルマーケティングに取り組む方に向け、ご相談やお見積もりの依頼を承っています。
岡山県でコンテンツマーケティングの支援をお探しなら、レイアップにぜひお問い合わせください。⇒レイアップに相談する(無料)
Comments