
EFO(入力フォーム最適化)とは、フォームの離脱を減らす改善のことです。「サイトから問い合わせが来ない」と社長に言われ、ツールの稟議の前に自分で直せる範囲を知りたい方は多いはずです。
筆者は、完了数を増やすEFOは目的にならないと考えています。自社フォームを49日間実測すると、完了51件のうち商談につながった問い合わせは0件でした。直す前に数える手順は次の5つです。
- EFOの進め方①GA4で到達→開始→完了→本物を数える
- EFOの進め方②本物の問い合わせの定義と見分け方
- EFOの進め方③項目を減らし、必須/任意を文字で示す
- EFOの進め方④入力補助とエラー表示を整える
- EFOの進め方⑤スパム対策・通知先・完了ページを守る
この記事では、実測事例と5ステップ、EFOの基礎知識、よくある質問を解説します。
目次
EFOの事例|自社フォーム実測、完了51件・本物0件
EFO(Entry Form Optimization=入力フォーム最適化)の解説記事は「到達者の6〜7割が離脱する」という他社の数字から始まるものが多いものの、筆者は株式会社LAYUPの代表として、まず自社サイトのお問い合わせフォームを49日間計測するところから始めました。
他社の平均より自社の実数のほうが、社長への説明資料として強いためです。結果は到達194セッション、入力開始81、送信完了51で、そのうち商談につながった問い合わせは0件でした。
完了数だけを見ていたら「月に30件前後の問い合わせが来ている」と誤解していたはずで、EFOの目的を「完了数を増やす」に置くと判断を誤ります。
この見出しでは、GA4の実測、筆者自身がHTMLを棚卸しして見つかった不備、無料で組んだ計測の仕組みの3つを、取得期間と取得方法つきで実数のまま公開します。2026年9月23日に上位17記事を確認した限り、自社フォームの実測を載せたものは1本も無かったため、読者の会社の数字と比べる材料として使ってください。
EFO事例①GA4実測|到達194→完了51→商談0
筆者は2026年8月5日から9月22日までの49日間、GA4(Googleアナリティクス4=Googleの無料アクセス解析)で自社のお問い合わせページを計測しました。単位はセッション(1回の訪問)で、同じ人が2回来れば2と数えます。
セッションの定義はGA4ヘルプ:アナリティクスのセッションについて(2026年9月23日閲覧)にまとまっています。
◆表:株式会社LAYUP お問い合わせフォームの実測(2026年8月5日〜9月22日・49日間・GA4・セッション数)
| 段階 | セッション数 | 前の段階に対する割合 | 到達に対する割合 |
|---|---|---|---|
| お問い合わせページ到達 | 194(PC183・スマホ11) | ― | 100% |
| 入力開始(form_start) | 81 | 約42% | 約42% |
| 送信完了 | 51 | 約63% | 約26% |
| 商談につながった問い合わせ | 0 | 0% | 0% |

筆者が作成(自社GA4の実測・2026年8月5日〜9月22日)
入力開始81セッションのうち24セッション(約30%)でエラーが出ており、内訳はスパム判定で弾いたものが21セッション、入力不備が3セッションでした。エラーの大半は人の打ち間違いではなく、機械的な送信だったわけです。
完了51セッションの流入元はDirect(URLの直接入力やブックマーク)28・自然検索19・参照(他サイトのリンク)4で、ここだけ見れば「検索からも問い合わせが来ている」と読めます。
ところが筆者が届いた送信を1件ずつ確認したところ、相談や商談につながった問い合わせは0件で、ほぼ全部がフォーム営業か迷惑送信でした。
完了率63%という数字も、中身の多くがフォーム営業である以上、人の入力のしやすさをそのまま表しているとは言えません。フォームの数字は「到達→開始→完了」の3段階で終わらせず、4段階目に「本物の問い合わせ」を置いて初めて意味を持ちます。
もう1つ気になったのがスマホです。到達11セッションに対して入力開始の計測が0で、スマホで入力しづらいのか、計測の設定に漏れがあるのかはまだ切り分けられていません。ここは断定せず、実機確認と設定確認の両方を次の見直し項目として残しました。
EFO事例②フォーム棚卸し|19項目と直すべき箇所
計測の次に、筆者は2026年9月23日に自社フォームのHTMLを1項目ずつ確認しました。入力欄は文字入力が8個(会社名・部署名・氏名・ふりがな・電話・メールアドレス・メールアドレス確認用・本文)です。
これにお問い合わせ種類のチェックボックス10個と、プライバシーポリシーへの同意1個が加わり、合計19項目、うち必須は6項目でした。
◆表:棚卸しで見つかった直すべき箇所(2026年9月23日・筆者がHTMLを確認)
| 見つかった箇所 | 何が問題か | 直し方の方向 |
|---|---|---|
| 必須の表示が右上の凡例「*必須項目」と項目名の横の「*」だけ | 凡例に気づかないと、どれを埋めれば送れるか分からない | 各項目名に「必須」「任意」の文字を付ける |
| メールアドレスの確認用欄(二度打ち) | 同じ内容を2回打たせる。WCAG 2.2の3.3.7「冗長な入力」が避けるよう求める形 | 欄を無くし、自動返信メールで控えを送る |
| お問い合わせ種類10個に「成果報酬型」「採用について」など現行サービスと合わない選択肢 | 選ぶ側が迷い、こちらの整理不足が見える | 現行サービスに合わせて減らす |
| autocomplete属性・inputmode属性が未設定 | ブラウザの自動入力が効かず、スマホで電話番号用のキーボードに切り替わらない | HTMLの属性を書き足す |
| 旧URL(/contactus と /contact-us)が404のまま | 古いリンクから来た人がフォームにたどり着けない | 現在のフォームへ転送する |

筆者が作成(自社フォームのHTMLを2026年9月23日に確認)

筆者が撮影(layup.info/contact/・2026年9月23日時点)
確認用欄を問題とした根拠は、W3Cが2023年10月に勧告したWCAG 2.2(Webアクセシビリティの国際的な指針)の達成基準3.3.7「冗長な入力」です(W3C:達成基準3.3.7の解説)。
スパム対策にはreCAPTCHA(Googleが無料で提供する、人かプログラムかを判定する仕組み)を使っています。19項目のうち必須は6項目に留まるため、項目を削るより先に「必須と任意が一目で分かる」表示へ直すほうが、効果が早く出ると筆者は判断しました。
つまり、EFOを人に勧めている筆者のフォームも、直す前の状態でした。だからこそ本記事では「理想のフォーム」ではなく、読者と同じ立場で「19項目のうち何から手を付けるか」を書きます。
社長に見せる資料としては、この表を1枚作るだけでも「現状の問題点を把握している」という説明になります。項目数・必須表示・二度打ち・古い選択肢の4つは管理画面で目視でき、Excelに項目名・必須かどうか・残す理由・直す優先度の4列を並べれば十分です。
EFO事例③無料の計測(GA4・Clarity)と失敗談
3つ目の事例は計測の作り方です。筆者は2026年8月5日から、GA4とGoogleタグマネージャー(GTM=サイトに計測用のタグを追加・管理する無料ツール)を組み合わせ、フォームの4つの動きを記録しています。
- 入力開始(form_start)は、最初の欄に触れた時点で記録します。
- 送信(form_submit)は、送信ボタンが押された時点です。
- 完了(form_complete)は、送信が受け付けられた時点で、サンクスページの表示に相当します。
- エラー(form_error)は、送信が通らなかった時点を、種別(spam=スパム判定で弾いた/invalid=入力不備)付きで残す仕組みです。

筆者が作成(自社の計測構成・2026年8月5日から運用)
エラーに種別を付けたからこそ、エラー24件の大半がスパム判定だと分かり、入力欄の直し方より先に「スパムの数え方」を決めるべきだと判断できました。この4つを分けておくと、「なぜ通らなかったか」まで毎月無料で見られます。
もう1つの無料ツールがMicrosoft Clarity(マイクロソフトが無償提供する、画面の録画とクリック位置の分析ツール。公式ドキュメント・2026年9月23日閲覧)です。
直近30日のお問い合わせページは76セッション、入力があったのが45セッション、送信が25セッションでした。無反応クリック(押しても何も起きないクリック)が3件、怒りクリック(同じ場所を連打する操作)が0件で、内訳はPC73・スマホ3になります。
失敗談も書いておきます。筆者は2026年6月30日にサイトをリニューアルしましたが、フォームの通知先メールの確認が後回しになり、実際にテスト送信して届き方を確かめたのは2026年9月6日でした。
約2か月の間、GA4の完了数だけを見て「問い合わせは来ている」と思い込んでいた計算になります。計測の仕組みは「数える→中身を見る→届いているか確かめる」の3点が揃って初めて役に立つと、身をもって学びました。
EFOの進め方5ステップ|ツール購入前に無料の計測で決める
事例①〜③から筆者が学んだのは、EFOは「施策を並べて片端から直す」より「数えてから直す」順番のほうが早い、という点です。ツールを買うかどうかを最初に決めず、無料の計測で「どこで人が止まっているか」を確かめてから直す順番を決める、というのが筆者の結論です。
◆表:EFOを自社で進める5ステップ(株式会社LAYUPの実測をもとに整理)
| ステップ | やること | 使うもの | 費用 |
|---|---|---|---|
| ①数える | 到達→入力開始→完了→本物の問い合わせの4つを数える | GA4・Clarity | 無料 |
| ②決める | 「本物の問い合わせ」の定義と、営業・スパムの見分け方を決める | 受信メール・社内の合意 | 無料 |
| ③減らす | 項目を減らし、必須/任意を文字で示す(確認用メール欄・古い選択肢を消す) | フォームの管理画面 | 無料 |
| ④整える | 入力補助とエラー表示を整え、スマホ実機で確認する | HTMLの属性・フォームの設定 | 無料〜制作会社への依頼 |
| ⑤守る | スパム対策と通知先・完了ページを整え、月1回見直す | reCAPTCHA v3・通知設定 | 無料 |

筆者が作成
①②は費用ゼロで、しかも社長に見せる数字がこの段階で揃います。①②を飛ばして③④から始めると、直した効果を測れず、社長への報告が「たぶん良くなった」で終わりかねません。
③④はWordPressの管理画面から自分で直せる範囲が多く、EFOツールが要るのは③④を自社で実装できない場合か、多段フォーム・住所の自動入力・離脱時の引き止めのような高度な機能が必要な場合に限られます。
その判断もステップ①の数字があって初めてでき、稟議は⑤まで終えてからでも遅くありません。
EFOの進め方①GA4で到達→開始→完了→本物を数える
最初のステップは、直す前に数える作業です。数えるのは次の4つで、順に減っていく形(ファネル)で並べます。
到達は、お問い合わせページを表示したセッション数です。
入力開始は、最初の欄に触れたセッション数で、GA4では拡張計測機能の「フォームの操作」をオンにすると form_start と form_submit が自動で記録されます(GA4ヘルプ:拡張計測機能イベント・2026年9月23日閲覧)。

出典:拡張計測機能イベント(アナリティクス ヘルプ)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日)
完了は、サンクスページの表示、または送信成功のイベント数を数えます。本物の問い合わせは、届いたメールを1通ずつ読み、相談・見積・資料請求など自社が返信すべきものを数えた件数です。
割合は「入力開始÷到達」「完了÷入力開始」「本物÷完了」の3つを出します。筆者の自社では約42%・約63%・0%でした。この3つの割合を並べるだけで、どの工程に問題があるかが数字で見えます。
GA4だけでは「なぜ止まったか」が分からないため、Microsoft Clarityの録画を併用するのが筆者のやり方です。お問い合わせページで絞り込み、送信せずに離れたセッションの録画を10本ほど見ると、どの欄で手が止まるかが分かります。
無料で登録でき、WordPressならタグをヘッダーに1行入れるだけで動き始めるため、費用面の心配もありません。スマホでボタンが押しにくいといった様子も、録画なら目で確かめられます。
数字は必ず取得期間と取得方法をセットで記録してください。筆者の例なら「2026年8月5日〜9月22日・49日間・GA4・到達194→開始81→完了51→本物0」の1行です。
PCとスマホ、流入元で分けて見ると「スマホの到達はあるのに開始がゼロ」といった偏りにも気づけます。Excelにこの4つの数字を月ごとに記録する表を1枚作れば、社長への月次報告がそのまま成り立ちます。
EFOの進め方②本物の問い合わせの定義と見分け方
2つ目のステップは、数える前に「うちにとって本物の問い合わせとは何か」を言葉で決める作業です。
筆者の会社では「自社サービスについて相談・見積・研修や制作の依頼・取材や登壇の依頼を求める、実在の企業か個人からの送信」を本物とし、「自社サービスの売り込み・SEO代行やリスト販売の営業・意味のない文字列」を対象外にしました。
見分け方は、届いたメールを次の3つで仕分けると迷いません。
- 本文が自社のサービス名やサイトの内容に触れているかを見ます。フォーム営業は誰に送っても通じる文面が多いです。
- 差出人のメールアドレスのドメインが実在し、名乗った会社と一致しているかが判断材料になります。
- お問い合わせ種類の選択と本文の内容が合っているか、「貴社のサイトを拝見し」などの営業の定型句が入っていないかを確かめます。
この定義を先に決めておかないと、完了数が増えたときに「EFOの効果が出た」のか「営業メールが増えた」のか区別がつきません。
筆者の場合、定義を決めて数え直した結果、完了51件に対して本物は0件で、改善の目標を「完了数」から「本物の件数」に置き換えました。
フォーム営業とは、お問い合わせフォームを使って売り込みを送ってくる行為で、完了数を押し上げる一方で担当者の時間だけを奪います。定義を決めたら、月ごとに「完了数」「本物の数」「営業・迷惑の数」の3列で記録してください。
社長への説明では「本物=当社が返信すべき相談・依頼」と1行で書いておくと、月次報告の数字が誰の目にも同じ意味で読め、後の議論が楽になります。
EFOの進め方③項目を減らし、必須/任意を文字で示す
3つ目のステップから、ようやくフォームに手を入れます。判断の基準は「その情報が無いと返信できないか」で、返信に要らない項目は初回の問い合わせでは聞かず、返信のやり取りの中で聞けば足ります。
自社の19項目で言えば、メールアドレスの確認用欄は削除の第一候補です。
WCAG 2.2(Webアクセシビリティの国際的な指針・W3Cが2023年10月に勧告)の達成基準3.3.7「冗長な入力」は、同じ情報を二度入力させない設計を求めています(W3C:達成基準3.3.7の解説)。
打ち間違いが心配なら、送信後の自動返信メールで確認してもらうほうが、入力する人の負担は小さくて済むはずです。
必須と任意は、印だけでなく「必須」「任意」の文字で各項目名の横に示します。WCAG 2.2の3.3.2「ラベル又は説明」は、入力欄に何を入れるかの説明を求めており、赤い「*」だけでは色や記号の意味が伝わらない人がいるためです。
「成果報酬型」「採用について」のような古い選択肢も、この機会に現行サービスに合わせて減らしてください。
BtoBで悩むのが会社名・電話番号・予算の3つです。筆者の結論は「会社名は任意で残す、電話番号も任意にして『お急ぎの方はご記入ください』と添える、予算は聞かずに初回の返信か面談で伺う」の3点です。
会社名は本物かどうかの判断材料になり、電話は急ぎの人だけが書けば足ります。予算は初回に聞くと「まだ決まっていない」人が離れる原因になります。
必須を減らすと営業・スパムも増えると心配する声がありますが、筆者の実測ではスパム判定は必須6項目のままでも21セッションに達していました。項目の多さはスパムを止めず、本物の人だけを止めます。スパムはステップ⑤の対策で受け止めてください。
EFOの進め方④入力補助とエラー表示を整える
4つ目のステップは、入力を楽にし、間違いをその場で知らせる設定です。HTMLの属性を書き足すだけで済むものが多く、費用はかからず、WordPressのフォーム画面から自分で直せる範囲に収まります。
筆者が自社フォームで最初に書き足すと決めたのも、次に挙げる autocomplete と inputmode の2つでした。
autocomplete属性(オートコンプリート)は、ブラウザに「この欄は氏名」「この欄はメールアドレス」と教える目印です。付けると、ブラウザが保存している氏名・会社名・電話・メールを1回のタップで入力できます。
値は氏名なら name、会社名なら organization、電話なら tel、メールなら email と決まっています(MDN:autocomplete属性・2026年9月23日閲覧)。

出典:HTML autocomplete 属性(MDN Web Docs)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日)
inputmode属性(インプットモード)は、スマホで表示するキーボードの種類を指定する目印です。
電話番号の欄に tel、メールの欄に email を付けると、数字や@が最初から出るキーボードに切り替わります(MDN:inputmode属性・2026年9月23日閲覧)。
入力例は「例:086-000-0000」のように欄の近くに文字で置きます。欄の中の薄い文字(プレースホルダー)だけだと、入力を始めた瞬間に消えて見えなくなるためです。
エラーの出し方は、WCAG 2.2の3.3.1「エラーの特定」と3.3.3「エラー修正の提案」が基準になります(W3C:達成基準3.3.1の解説・2023年10月勧告)。
「入力内容に誤りがあります」ではなく「メールアドレスに@が含まれていません」のように、どの欄が、なぜ間違いで、どう直せばよいかを示す形です。送信後にまとめてではなく、入力中にその場で文字で知らせてください。
フォーム設計の基本は、Googleが公開しているweb.dev「Learn Forms」(2026年9月23日閲覧)にまとまっています。入力欄の種類や属性の使い分けを、実例つきで確認できます。

出典:Learn Forms(web.dev)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日)
最後に必ずスマホの実機で、自分で1通送ってみてください。筆者の自社ではスマホの到達11に対して入力開始の計測が0でしたが、実機で送ってみるまでは「入力しづらい」のか「計測漏れ」なのか分かりません。PCの画面だけでは、キーボードの切り替わりやボタンの押しやすさは見えないためです。
EFOの進め方⑤スパム対策・通知先・完了ページを守る
最後のステップは、入力を楽にした分だけ増える迷惑送信への備えと、届いた後の動線です。EFOで入力の障壁を下げると、人だけでなく機械にも送りやすくなるため、対策はセットで考えます。
1つ目はreCAPTCHA v3(Googleの無料のボット判定。利用者に画像選択などをさせず、閲覧中の振る舞いからプログラムらしさを点数化する方式)で、スコアの低い送信を弾きます(Google:reCAPTCHA v3・2026年9月23日閲覧)。
2つ目はハニーポット(人には見えないが機械は埋めてしまう罠の欄)で、1つ置いてそこが埋まっていれば機械の送信と判断する仕組みです。3つ目はフォームの上の「営業目的の送信はお断りしています」の1行で、効果は限定的ですが、人が手で送る営業を一定数減らせます。
通知先は、フォームを作った人が退職・異動したまま古いアドレスに届いている例が珍しくありません。送信テストを自分で1通行い、誰に届き、何分で気づけるかを確かめてください。筆者はこの確認を約2か月後回しにし、その間の完了数を「問い合わせ」だと思い込んでいました。
完了ページ(送信後に表示するページ)には「何営業日以内に、誰から、どの手段で返信するか」と、急ぎの連絡先を書きます。問い合わせた人の不安はここで決まり、返信が来る前に他社へ行くのを防げます。
再計測は月1回で十分です。月間の到達が数十〜数百件の規模なら、週ごとの変動は誤差の範囲に収まります。
直した日を記録しておき、直す前の1〜2か月と直した後の1〜2か月の4つの数字を並べて、社長に「前後比較」として報告してください。
EFOの基礎知識|意味・違い・施策25項目・測定・ツール
ここからはEFOの基礎知識を、社長に説明するときにそのまま使える形でまとめます。意味と読み方、なぜ必要か、SEO・LPO・CROとの違い、離脱の原因6つ、施策一覧25項目、効果測定、WordPressでの実装、ツールの線引きの8つを、定義→原因→施策→測定→費用の順に並べました。
上位に表示されている17記事(2026年9月23日に筆者が確認)は、EFOツールのベンダー12本と比較サイト・用語集で構成されており、定義文はほぼ同じで、施策は6〜33項目の列挙でした。
本記事はそれらを表で網羅したうえで、上位に無かった「完了の中身を見る」「スパム対策との両立」「GA4とClarityの手順」「ABテストが成立しない規模の判断」「Contact Form 7での実装」「HTML標準とWCAGを根拠にする」の6点を加えます。
出典は一次情報(Google・MDN・W3C)を優先し、ベンダー記事にある「離脱率○%」の孫引きは使いません。
Google検索セントラルの有用で信頼性の高いコンテンツの作成(2026年9月23日閲覧)も、実体験に基づく独自の情報を求めています。

出典:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成(Google検索セントラル)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日)
筆者はEFOツールを販売していない立場のため、「ツールを買うべきか」についても中立に線を引けます。
EFOとは?読み方はイーエフオー、意味は入力フォーム最適化
EFOはEntry Form Optimization(エントリーフォーム・オプティマイゼーション)の頭文字で、読み方は「イーエフオー」です。日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。
問い合わせや資料請求のフォームにたどり着いた人が、途中で諦めずに送信を終えられるように入力欄や表示を整える取り組みを指す言葉です。
社長に一言で説明するなら「サイトの問い合わせフォームまで来た人を、入力の面倒くささで帰らせない工夫」が筆者のおすすめです。集客(人を連れてくる側)とは別で、来た人を逃さない側の改善に当たります。
対象になるフォームは、お問い合わせ・資料請求・見積依頼・採用応募・会員登録・購入手続きなど、人が入力して送信するもの全般です。印刷会社であれば、見積依頼フォームと問い合わせフォームが主な対象になります。
似た言葉との違いも一言で押さえておきます。CVR(コンバージョン率)は訪問した人のうち問い合わせなど目的の行動に至った人の割合で、EFOはこのうち「フォーム到達から完了まで」の割合を上げる取り組みです。
EFOツールは、フォームにリアルタイムのエラー表示や住所の自動入力などを後付けする月額制のサービスで、EFOという言葉とEFOツールという商品は別物になります。
筆者の立場を先に書いておくと、株式会社LAYUPはEFOツールを販売していません。研修としてSEO・LLMO内製化支援を行い、その対応領域にEFOが含まれる、という関わり方です。
加えて筆者は、定義に「送り終えた後、その送信が本物の問い合わせとして社内に届く」までを含めるべきだと考えています。完了数だけ増えても、中身がフォーム営業ばかりでは会社の役に立ちません。
EFOはなぜ必要か|「6〜7割離脱」の出所と自社実測
EFOが必要な理由は、「サイトに来た人」と「問い合わせた人」の間に、フォームで止まる人が確実にいるからです。ただし、その数を他社の平均で語るのは勧めません。
EFOの記事でよく見る「フォーム到達者の6〜7割が離脱する」という数字の原典を、筆者がたどってみました。
行き着いたのは、米Baymard Institute(Webの使いやすさを調査する機関)がまとめたECサイトのカゴ落ち率で、問い合わせフォームの数字ではありませんでした(Baymard Institute:Cart Abandonment Rate・2026年9月23日閲覧)。

出典:Cart Abandonment Rate Statistics(Baymard Institute)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日)
買い物かごに入れたあと購入せずに離れる割合と、BtoBの問い合わせフォームの離脱は、動機も項目数も違います。
「BtoBの76.9%が途中離脱」といった数字も、特定の会社が自社の顧客データで出した調査の引用で、読者の会社のフォームに当てはまる保証はありません。社長に説明する数字は、他社の平均ではなく、自社フォームの実測に置き換えるべきです。
自社では到達194に対して入力開始が81で、到達者の約58%は1文字も入力せずに離れていました。一方で、入力を始めた人の63%は送信まで進んでいます。
「到達者の74%が離脱」とも「開始者の37%が離脱」とも言え、どこを分母にするかで数字は大きく変わります。この「約58%」が高いか低いかは、業種や流入元で異なるため、一概には言えません。
だからこそ、平均との比較ではなく「先月の自社」との比較で改善を測る形にすると、社長との会話が「他社はどうなんだ」から「先月よりどう変わったか」に変わり、議論が前に進みます。
EFOとSEO・LPO・CROの違い|工程を数字で切り分ける
EFOの位置づけは、問い合わせが生まれるまでの工程を4つに分けると分かりやすくなります。検索で見つけてもらう工程がSEO、たどり着いたページで興味を持ってもらう工程がLPO、フォームで送信してもらう工程がEFO、全体の成約率を上げる考え方がCROです。
◆表:SEO・LPO・EFO・CROの違い(直す工程と見る数字)
| 用語 | 読み方・意味 | 直す工程 | 見る数字の例 |
|---|---|---|---|
| SEO | エスイーオー・検索エンジン最適化 | 検索結果→サイト訪問 | 表示回数・クリック数・順位(Search Console) |
| LPO | エルピーオー・ランディングページ最適化 | 訪問→フォームへ進む | ページ閲覧数→フォーム到達数の割合(GA4) |
| EFO | イーエフオー・入力フォーム最適化 | フォーム到達→送信完了 | 入力開始率・完了率・本物の件数(GA4・Clarity) |
| CRO | シーアールオー・コンバージョン率最適化 | 訪問→成果の全体 | 訪問数に対する本物の問い合わせの割合 |
社長から「問い合わせが来ない」と言われたとき、筆者はまずどの工程の問題かを数字で切り分けます。検索からの訪問が月に数十件しか無ければ先に直すのはSEOで、フォーム到達が月に100件以上あるのに完了が数件ならEFOです。
自社の数字で言えば、49日間でフォーム到達194・完了51・本物0でした。完了率は約26%あるため、先に直すべきは「完了数」ではありません。
「本物の問い合わせが来る流入を増やす」ことと「営業・スパムの送信を減らす」ことが先で、工程としてはSEOと計測の見直しが優先という判断になります。
「フォームが悪いのか、来ている人が違うのか」を切り分けずにEFOツールを入れると、営業メールの完了率だけが上がるという結果になりかねません。この切り分けが、稟議の前に済ませておく最初の仕事です。
EFOで直す離脱の原因6つ|項目数・必須・エラー・スマホ
フォームで人が止まる原因は、筆者の自社フォームの棚卸しとClarityの録画、上位17記事の整理を突き合わせると、次の6つに集約できます。原因を先に知っておくと、次の施策一覧25項目のどれが自社に要るかを選びやすくなるのが、施策より先に原因を並べた理由です。
◆表:フォーム離脱の原因6つと、株式会社LAYUPの自社フォームでの該当(2026年9月23日)
| 原因 | 入力する人に何が起きるか | 自社フォームでの該当 |
|---|---|---|
| ①項目が多い | 開いた瞬間に「時間がかかりそう」と感じ、全部埋める前にやめる | 該当。19項目(必須6) |
| ②必須が分からない | 何を埋めれば送れるか分からず、全部埋めようとして途中で諦める | 該当。項目ごとの「必須」の文字なし |
| ③エラーの出方が分からない | 送信後に「入力内容に誤りがあります」とだけ出て、どこを直せばよいか迷う | 一部該当。文言の見直しが必要 |
| ④スマホで入力しづらい | 数字の欄で文字キーボードが出る、ボタンが小さい | 要確認。スマホの入力開始が計測0 |
| ⑤確認画面やメールの二度打ち | 同じ内容をもう一度入れさせられ、途中で閉じる | 該当。メール確認用欄あり |
| ⑥個人情報の不安 | 何に使われるか、営業電話が来ないかが分からず、電話番号の欄で手が止まる | 同意欄はあり。用途の説明を近くに置けば改善余地あり |
②③⑤の3つはWCAG 2.2の達成基準(②=3.3.2 ラベル又は説明、③=3.3.1 エラーの特定と3.3.3 エラー修正の提案、⑤=3.3.7 冗長な入力)に対応し、「使いやすさ」ではなく「守るべき基準」として社長に説明できます。
④の入力補助も1.3.5「入力目的の特定」が根拠です。原文はW3C:WCAG 2.2(2023年10月勧告)で読めます。Webアクセシビリティは高齢者や障害のある人のための配慮と思われがちですが、実際には全員の入力を楽にする基準です。

出典:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 日本語訳(WAIC)(スクリーンショットは筆者取得・2026年9月23日。正式版はW3Cの英語原文)
①②は見た目で分かる問題のため管理画面で直せ、③④はHTMLの属性追加とエラー文の書き換えが中心で、非エンジニアでも手順どおりに進められる範囲に収まります。
⑤は欄を消すだけで済み、⑥はプライバシーポリシーへのリンクと「営業目的には使いません」の1文で対応できます。自社フォームがどの原因に該当するかを、この表と同じ形で書き出してください。それがそのまま、社長への説明資料の1ページ目になります。
EFOの施策一覧25項目|言及数と誰が直せるかの3段階
上位17記事が挙げていた施策を集計し、言及の多い順に25項目を並べました。あわせて、筆者の経験から「無料で自分で直せる」「制作会社に頼む」「ツールが要る」の3段階に分けています。
WordPressのフォーム(Contact Form 7)を自分で更新している方を想定した区分で、費用の判断に直結するため、稟議の前にこの3段階で仕分けてください。
◆表:EFOの施策一覧25項目(上位17記事の言及本数・2026年9月23日筆者調べ・誰が直せるかの3段階)
| No. | 施策 | 言及本数 | 誰が直せるか | 根拠・補足 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | リアルタイムのエラー表示 | 13 | 制作会社(無料プラグインで代替可) | WCAG 2.2 3.3.1・3.3.3 |
| 2 | アクセス解析で離脱箇所を計測 | 12 | 自分で | GA4の拡張計測・Clarity(無料) |
| 3 | 入力項目の削減 | 11 | 自分で | 返信に要らない欄を消す |
| 4 | 郵便番号から住所自動入力 | 10 | ツール | 住所が要るフォームだけ |
| 5 | 入力例の表示 | 10 | 自分で | WCAG 2.2 3.3.2 |
| 6 | 必須/任意の明示 | 9 | 自分で | WCAG 2.2 3.3.2 |
| 7 | 全角半角の自動変換 | 9 | 制作会社 | 先にinputmodeで半角キーボードを出す |
| 8 | フォーム内の他ページへのリンク除去 | 8 | 自分で | 迷わせる導線を消す |
| 9 | プログレスバー/ステップ分割 | 8 | ツール | 項目が多いフォームだけ |
| 10 | EFOツール導入 | 8 | ツール | 月額費用が発生。本記事の線引きを参照 |
| 11 | スマホ最適化 | 7 | 自分で(崩れは制作会社) | 実機で1通送る |
| 12 | 入力内容の保持 | 6 | 制作会社 | 確認画面を無くせば必要性が下がる |
| 13 | ABテスト | 6 | ツール | 月間到達が数百件未満では成立しない |
| 14 | 不備があれば送信不可 | 5 | 自分で | required属性・Contact Form 7の標準機能 |
| 15 | 個人情報の扱いの明示 | 5 | 自分で | 同意欄+利用目的の1行 |
| 16 | スマホのキーボード切替 | 4 | 自分で | MDN inputmode・type=tel/email |
| 17 | フリガナ自動入力 | 4 | 制作会社 | ふりがな欄を必須から外す手もある |
| 18 | メールのドメイン候補 | 4 | ツール | autocomplete=emailで一部代替 |
| 19 | エラー項目の色強調 | 4 | 自分で | 色だけに頼らず文字も添える(WCAG 1.4.1) |
| 20 | 確認画面 | 4 | 自分で | 無くす判断も可(WCAG 2.2 3.3.7) |
| 21 | 送信ボタンの文言 | 4 | 自分で | 「送信」→「相談内容を送る」など |
| 22 | 完了項目のチェック | 3 | 制作会社 | 項目が少なければ不要 |
| 23 | 離脱防止の表示 | 3 | ツール | 出し方を誤ると逆効果 |
| 24 | 所要時間の事前表示 | 3 | 自分で | 「入力は約2分」の1行 |
| 25 | チャット型フォーム | 3 | ツール | BtoBの相談では効果が読みにくい |
25項目のうち13項目は費用ゼロで自分で直せる範囲で、ツールが要るのは7項目、しかもその大半は住所入力や多段フォームなど、BtoBの問い合わせフォームには要らない機能です。残る5項目は制作会社への軽微な依頼で済みます。
筆者の自社フォームの直すべき箇所(必須表示・確認用欄の廃止・古い選択肢の整理・スマホのキーボード切替)も、すべて「自分で」の13項目に含まれていました。
根拠として挙げたのは、HTML標準を解説するMDN(Mozillaが運営するWeb技術の公式資料)と、W3CのWCAG 2.2(2023年10月勧告)です。ベンダーの「導入で○%改善」ではなく、誰が読んでも同じ内容にたどり着ける一次情報を根拠にすると、社長への説明が「業者の言い分」に聞こえません。
EFOの効果測定|GA4・Clarityの手順と前後比較
効果測定は、離脱率の計算式・GA4での数え方・Clarityでの見方・ABテストの判断の4つを押さえれば足ります。計算式は分母を明記して使ってください。
◆表:フォームの数字の計算式(分母を明記して使う)と株式会社LAYUPの実測(49日間)
| 数字 | 計算式 | 筆者の実測 |
|---|---|---|
| 入力開始率 | 入力開始÷フォーム到達 | 81÷194=約42% |
| 完了率(開始比) | 送信完了÷入力開始 | 51÷81=約63% |
| 完了率(到達比) | 送信完了÷フォーム到達 | 51÷194=約26% |
| 離脱率(到達比) | (到達−完了)÷到達 | 143÷194=約74% |
| 本物の問い合わせの割合 | 本物の問い合わせ÷送信完了 | 0÷51=0% |
「到達比の離脱率74%」には開いただけで1文字も入力しなかった人が含まれるため、筆者は入力開始率(ページやフォームの第一印象)と開始比の完了率(入力中のつまずき)に分けて見ています。
GA4では、管理画面のデータストリームで拡張計測機能の「フォームの操作」をオンにすると、form_start と form_submit が自動で記録されます。
数える手順は「探索」→「目標到達プロセスデータ探索」を開き、ステップ1にお問い合わせページの表示(page_view)、ステップ2に form_start、ステップ3に form_submit を置く形です(GA4ヘルプ:目標到達プロセスデータ探索・2026年9月23日閲覧)。
内訳にデバイスカテゴリと参照元を足すと、PC/スマホ別・チャネル別の割合が同じ画面に出ます。注意点として、form_submit は送信ボタンを押した時点で記録されるため、入力不備で戻された送信も含まれます。
完了の実数を見るには、筆者のように完了イベント(form_complete)を別に計測するか、完了ページの表示回数で代用してください。
Clarityでは「レコーディング」でお問い合わせページのURLを条件に絞り、無反応クリックや怒りクリックがあるセッションから見ると、詰まっている欄が具体的に分かります。
どの欄で止まるか、エラーが出てから何秒で離れるかを10本ほど見てメモに残せば十分です(Microsoft Clarity 公式ドキュメント・2026年9月23日閲覧)。
ABテスト(2種類のフォームを同時に出して比べる方法)は上位17記事のうち6本が勧めていますが、月間のフォーム到達が数十〜数百件の中小企業のサイトでは、統計的に差が出たと言える件数に何か月もかかるため、成立しません。
その規模では、直せる箇所を一括で直し、直す前後の1〜2か月の割合を比べる「前後比較」と、Clarityの録画で「止まる欄が消えたか」を確かめる定性確認で判断するほうが現実的です。
EFOをContact Form 7で実装する勘所
自社サイトも読者の会社のサイトもWordPressで、フォームはContact Form 7(無料で最も普及しているフォームのプラグイン)を使っている前提で、実装の勘所を5つ書きます。筆者の自社サイトもこの組み合わせです。
1つ目のautocomplete属性は、フォーム編集画面のタグに直接書き足せます。氏名なら [text your-name autocomplete:name]、メールなら [email your-email autocomplete:email]、電話なら [tel your-tel autocomplete:tel] という書き方です。
電話の欄に [tel]、メールの欄に [email] を使うと、inputmode を個別に書かなくてもスマホのキーボードが切り替わります。
2つ目の必須表示は、項目名のラベルに「氏名(必須)」「電話番号(任意)」と文字をそのまま書きます。CSSで「*」を自動で出す方法より、文字を直接書くほうが確実です。
3つ目に、メールアドレスの確認用欄はフォームタグから外し、代わりに自動返信メールを設定します。設定は管理画面の「メール」タブの「メール(2)」で行い、送信者への控えとして届く仕組みです(Contact Form 7:メールのセットアップ・2026年9月23日閲覧)。
4つ目の通知先メールの到達確認は、「メール」タブの送信先を確認したうえで、必ず本番のフォームから自分で1通送り、届いたメールの差出人と件名まで見ます。届かない場合はサーバー側のメール設定に原因がある例が多く、制作会社に相談する項目になります。
5つ目のreCAPTCHA v3は、Googleで発行したサイトキーとシークレットキーを「お問い合わせ」→「インテグレーション」に登録すれば有効です(Contact Form 7:reCAPTCHA・2026年9月23日閲覧)。
計測との連携で覚えておくと便利なのが、Contact Form 7が送信結果ごとに発する合図(wpcf7mailsent=送信成功、wpcf7invalid=入力不備、wpcf7spam=スパム判定、wpcf7mailfailed=メール送信失敗)です。
筆者の自社ではこの合図をGoogleタグマネージャーで拾い、form_complete と form_error(種別付き)としてGA4へ送っています(Contact Form 7:DOMイベント・2026年9月23日閲覧)。設定は一度作れば動き続けるため、最初だけ制作会社か詳しい人に頼むのも手です。
EFOツールの線引き|多段・引き止めが要る方にはおすすめ
EFOツールが要るかどうかは、「自社で実装できないか」「高度な機能が必要か」の2点で線引きします。筆者はツールを販売していないため、この線引きに営業上の意図はありません。
◆表:EFOツールが要る範囲と要らない範囲
| 判断 | 該当する状況 | 施策の例 |
|---|---|---|
| ツールは要らない | 直すべき箇所が表示・項目・属性の範囲に収まる | 項目削減・必須/任意の文字表示・入力例・autocomplete/inputmode・送信ボタンの文言・所要時間の表示・個人情報の扱いの明示・二度打ちの廃止 |
| 制作会社に頼む(無料プラグインでも可) | HTMLの属性追加やエラー表示の変更を自社で触れない | リアルタイムのエラー表示・入力内容の保持・エラー項目の強調・スマホ表示の修正 |
| ツールが要る | 高度な機能が数字の上で必要と分かっている | 多段フォーム(ステップ分割)・郵便番号からの住所自動入力・離脱時の引き止め表示・フリガナやドメイン候補の自動補完・ABテスト・チャット型 |
多段フォームや住所自動入力、離脱時の引き止めが必要な方にはツールがおすすめですが、BtoBの問い合わせフォームでこれらが要る場面は限られます。EFOツールの費用は、筆者が確認した範囲では月額数千円から数万円の幅があり、初期費用が別に必要な場合もあります。
稟議の前に揃えておく数字は3つです。①現状の到達→入力開始→完了→本物の件数、②ツールなしで直した後の同じ数字、③ツールで実現したい機能と、それで動くと見込む件数になります。
②を飛ばして①から③へ進むと、費用対効果を問われたときに答えられません。逆に②まで済ませていれば、ツールを入れない判断も、入れる判断も、どちらも数字で説明できます。
筆者の自社フォームは、直すべき箇所がすべて「ツールは要らない」の行に収まりました。到達194・本物0の状態でツールを入れても、完了数が増えるだけで本物は増えないと判断しています。
EFOを自社で計測して直す内製化支援なら、株式会社LAYUP
株式会社LAYUPは、岡山市でBtoB企業向けにAIとデジタルマーケティングの内製化を支援している会社です。ミッションは「ITを通じて企業のできないをできるに」になります。
代表の筆者(光田直史)はエンジニアではなく、自社サイト layup.info をWordPressで運用しながら、GA4とMicrosoft Clarityで自社フォームを実測し、その手順をそのまま研修に落とし込んでいます。
2026年9月時点のサービスは次の3つです。
- AIエージェント構築研修(全6回・対面中心・岡山)を行っています。
- SEO・LLMO内製化支援は研修形式で、対応領域にCRO・LPO・EFOを含みます。
- Webサイト制作も対応範囲です。
EFOの実績としては、印刷業の有限会社コトブキ印刷様で、SEOとEFOをあわせて実施しコンバージョン率150%向上を達成しました。施策の詳細は公開していないため、ここでは実績として触れるに留めます。
自社フォームについては本記事のとおり「完了51件・本物0件」という直す前の数字から始めており、内製化支援ではこの「まず数える」手順を、読者の会社のGA4とClarityで一緒に組み立てます。
支援の進め方は、まず御社のフォームでステップ①(4つの数を数える)を一緒に行い、直すべき箇所を表にするところからです。EFOツールの販売は行っていないため、「ツールが要るか」の判断も御社の数字をもとに中立にお伝えできます。
「ツールを買う前に自社フォームの数字を出したい」「社長に説明できる形で改善計画を作りたい」という総務・営業企画の方は、SEO・LLMO内製化支援のご案内からご相談ください。
EFOでよくある3つの質問
最後に、EFOについて筆者が研修や打ち合わせの場でよく受ける質問を3つにまとめます。効果はどれくらい出て何から始めるべきか、フォーム営業・スパムの送信をどう防ぎ入力のしやすさと両立させるか、確認画面やメールアドレスの確認用欄は残すべきか、の3つです。
いずれも「他社の平均」ではなく「自社で数えた数字」で答える形にしています。3つに共通する答えは、直す前に数え、数える前に「本物の問い合わせ」を定義する、という順番です。
社長への説明資料に載せる場合は、質問と答えをそのまま想定問答として転記できる長さにしてあります。読み終えたら、まず自社のフォームで到達・開始・完了・本物の4つを数えるところから始めてください。
質問①EFOの効果はどれくらい?何から始めるべき?
効果の目安は、他社事例と自社実測の2つの見方があります。他社事例としては、筆者が関わった印刷業のお客様でSEOとEFOをあわせて実施し、コンバージョン率(CVR=訪問のうち問い合わせなどの成果に至った割合)が150%向上しました。
ただしこれはSEOによる流入の質の改善を含む数字で、フォームの改修だけの効果ではありません。
一方で筆者の自社フォームは、49日間で完了51件・本物0件でした。同じEFOでも、完了数が増える場合と、増えても成果にならない場合の両方があるわけです。
上位記事に並ぶ「改善率○%」の多くはツールを販売する会社の自社案件か前提の異なる試算で、そのまま自社の見込みにすると稟議の根拠が弱くなります。
期待できる効果の大きさは「今どこで止まっているか」で決まるため、目安を探すより先に自社の4つの数字(到達・入力開始・完了・本物)を数えるのが、最も早い着手です。完了率(完了÷入力開始)が約63%あるフォームなら、項目削減や必須表示で数ポイント上がる程度と筆者は見込んでいます。
何から始めるべきかを1つに絞るなら、GA4の拡張計測機能「フォームの操作」をオンにし、翌月に「到達→入力開始→完了」の3つの数字を出す作業です。設定は数分で終わり、費用はかかりません。
数字が出た段階で届いた問い合わせを1通ずつ読み「本物」の件数を数えると、EFOで直すべきなのか、流入やスパム対策を先に直すべきなのかが決まります。
質問②フォーム営業・スパムはどう防ぐ?EFOと両立できる?
防ぐ方法は、reCAPTCHA v3・ハニーポット・お断り文言の3つを重ねる形が現実的だと筆者は考えています。reCAPTCHA v3は利用者に画像選択をさせずに裏側で人か機械かを判定し、ハニーポットは人には見えない欄が埋まっていたら弾き、お断り文言は人が手で送る営業を減らす役目です。
入力を楽にするEFOとの両立は、「人の手間を増やさない対策を選ぶ」と決めておけば難しくありません。画像を選ばせる認証や、ひらがなを入力させる質問は、スパムだけでなく本物の問い合わせも減らすため、最後の手段に回します。
WCAG 2.2の3.3.8「アクセシブルな認証(最低限)」は、ログインなどの認証で認知機能に頼るテストを避けるよう求める基準です(W3C:達成基準3.3.8の解説・2023年10月勧告)。
同じ考え方が、フォームのスパム対策にも当てはまります。
人が手で送るフォーム営業は、機械的な対策では止まりません。お断りの1文に加え、お問い合わせ種類の選択肢から「営業・提案」に相当する項目を外し、届いたものは「本物の問い合わせ」の定義に従って月ごとに件数を記録してください。
もう1つ大事なのが、防いだ数を数えておく点です。筆者の自社では入力開始81セッションのうちスパム判定で弾いたのが21セッションで、約26%が機械的な送信でした。
この数字を記録しておくと、対策を強めたときに本物まで弾いていないかを、完了数と本物の件数の変化で確かめられます。
質問③確認画面やメールアドレスの確認用欄は残すべき?
筆者の答えは「メールアドレスの確認用欄は無くし、確認画面は送信後に取り消せない手続きでなければ無くす」です。理由は、どちらも同じ情報をもう一度入れさせる、または見直させる設計で、WCAG 2.2の3.3.7「冗長な入力」が避けるよう求めている形に近いためです。
確認用欄の役割は打ち間違いの防止ですが、自動返信メールを設定すれば、届かなかった時点で本人が気づけます。入力後にそのアドレスを画面に表示して「このアドレスに返信します」と示す方法もあり、いずれも入力欄が1つ減る分だけスマホでの手間が減る点は同じです。
確認画面は、契約や注文のように送信後に取り消しにくい内容なら残す価値があります。一方、問い合わせや資料請求のように返信のやり取りで修正できる内容なら、確認画面を挟むよりも、入力中にその場でエラーを示すほうが離脱は少なくなります。
自社のフォームでは、確認用欄の削除を最初の改修項目にしました。上位17記事では確認画面に4本が言及していましたが、「置くべき」とも「消すべき」とも一律には言えません。
自社のフォームが「相談の入口」か「手続きの完了」かで判断してください。社長への説明では「入力欄を1つ減らし、代わりに自動返信で控えを送る」と1行で書けば、なぜ消すのかが伝わります。
まとめ|EFOは完了数より本物の問い合わせを数える仕組み
EFOは、フォームの完了数を増やすための技術ではありません。筆者が自社フォームをGA4で49日間(2026年8月5日〜9月22日)実測したところ、完了51件のうち商談につながった問い合わせは0件でした。
数えるべきなのは完了数ではなく「本物の問い合わせ」の数であり、EFOはその数を取りこぼさないための仕組みづくりです。
ツールの稟議を出す前に、無料の計測で自社フォームの現在地を確かめ、直せる箇所から直す順番は次のとおりです。上から順に進めれば、来期の会議で「どこで人が止まり、何を直し、本物の相談が何件になったか」を数字で説明できます。
- EFOの進め方①GA4で到達→開始→完了→本物を数える
- EFOの進め方②本物の問い合わせの定義と見分け方
- EFOの進め方③項目を減らし、必須/任意を文字で示す
- EFOの進め方④入力補助とエラー表示を整える
- EFOの進め方⑤スパム対策・通知先・完了ページを守る
本文で触れなかった補足を2つ添えます。ひとつは、フォームを直した日付をGA4の注釈(グラフ上に日付入りのメモを残す機能)や自分の作業記録に残す点です。改善の前後を比べる起点が無いと、翌月の数字が良くても悪くても理由を説明できません。
もうひとつは、電話や紹介で届いた相談も同じ表に並べる点です。フォームの数字だけを見ていると、「フォームは0件でも相談は来ている」という事実が社長への報告から抜け落ちます。
筆者のフォームも、この記事を書いた時点では直す前の状態でした。来期までに残したいのは高い道具ではなく、自社の数字を自分で数え、直し、翌月また数える習慣だと考えています。
計測の設定や入力項目の見直しを自社で回せるようになりたい方は、SEO・LLMO内製化支援の相談からご連絡ください。フォームの実測から一緒に始めます。