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クエリファンアウトを実測した3つの事例と対策5つ

クエリファンアウトを実測した3つの事例と対策5つ

クエリファンアウトとは、AIが質問を複数のサブトピックに分解し、複数の検索を同時に実行して回答を組み立てる手法です。「順位を取ってもAIの回答に出なければ読まれないのでは」と不安になりますよね。

結論、記事づくりの基本は変えなくて構いません。当社が12語のAI Overviewの引用元65件を実測したところ、35%は同じ検索語の上位10件の外にありました。

対応のポイントは次の5つです。

  • ポイント①検索結果に出るための基本のSEOは変えない
  • ポイント②関連する問いを見出しに立て、結論から答える
  • ポイント③自社で測った数字や失敗など一次情報を入れる
  • ポイント④記事が分散している方には統合と内部リンクがおすすめ
  • ポイント⑤順位・AI枠・自社引用を毎週同じ条件で測る

この記事では、当社の実測事例3つ、対策5つのポイント、仕組みとSEO・LLMOへの影響を解説します。

目次

クエリファンアウトの実測事例3つ|引用元の35%は上位10件の外

クエリファンアウトとは、AIが1つの質問を複数の小さな問い(サブクエリ)に分けて同時に検索し、結果をまとめて回答を組み立てる手法です。

当社は2026年9月17日に、12の検索語でこの手法の影響を実測しました。AI Overview(AIによる概要)の引用元65件のうち23件(35%)は、同じ検索語の自然検索の上位10件に入っていませんでした。

「検索順位を取っても、もうクリックされないかもしれない」と不安を感じているWeb担当者の方は多いはずです。筆者も同じ不安を持ち、自社サイト layup.info の約190本の記事で、順位とAI Overviewの引用状況を毎週月曜に測っています。

先に結論をお伝えすると、検索結果に出るための基本のSEOは変わりません。変わるのは、1つの検索語の順位だけを見る管理から、関連する問いまで含めて記事を設計し、測る管理へ切り替える点です。

まずは当社の3つの実測を表にまとめました。

◆当社が実測したクエリファンアウトに関する3つの結果(2026年9月)

実測対象結果読み取れる内容
①引用元と順位の照合12の検索語・引用元65件23件(35%)が上位10件の外、12件(18%)は30位以内にも無いAIの回答は別の検索で見つけたページからも作られる
②自社サイトの定点観測197語187語(95%)にAI Overviewの枠、自社の引用は2語枠はほぼ全語に出るが、引用される記事は一握り
③当社の失敗197語149語(約76%)が30位圏外引用される以前に検索結果に出ていない記事が多い
AI Overviewの引用元65件を同じ検索語の自然検索の順位と照合した実測グラフ(上位10件内42件・11〜30位11件・30位以内に無い12件)

筆者が作成(DataForSEOで取得したデータを集計・2026年9月17日)

この3つから見えるのは、上位10件に入らなくても引用される余地がある一方で、検索結果に出ていない記事は候補にすらならないという現実です。以下で、それぞれの方法と結果を順に紹介します。

クエリファンアウト実測①引用元の35%は上位10件の外

1つ目は、AI Overviewの引用元が自然検索の何位にいるのかを照合した実測です。調査は2026年9月17日に筆者が行いました。

DataForSEO(検索結果のデータを取得できるサービス)で12の検索語のGoogle検索結果を取得し、AI Overviewに表示された引用元65件を、同じ検索語の自然検索の順位と1件ずつ突き合わせています。

対象は「クエリファンアウト」「AIモードとは」「AIOとは」「LLMOとは」「geoとは」「1次情報」「wixデメリット」「インハウス seo」「リダイレクトとは」「seo 文字数」「メタタグとは」「検索 クエリ」の12語です。

結果は、上位10件内が42件(65%)、11〜30位が11件(17%)、30位以内に無いページが12件(18%)でした。

◆AI Overviewの引用元65件と自然検索の順位の照合結果(2026年9月17日・当社実測)

同じ検索語での自然検索の順位件数割合
上位10件内42件65%
11〜30位11件17%
30位以内に無い12件18%

語別に見ると、上位10件の外からの引用が多い語と、まったく無い語に分かれます。

◆検索語別に見た「上位10件の外」からの引用(一部抜粋)

検索語引用元の件数うち上位10件の外
AIOとは5件3件
LLMOとは4件3件
検索 クエリ6件3件
クエリファンアウト5件0件

入力された検索語の上位ページだけで回答を作っているなら、この結果にはなりません。AIが別の検索を実行し、そこで見つけたページも回答の材料にしていると考えると筋が通ります。

ただし、サブクエリそのものは外から見えず、この数字はクエリファンアウトの直接の証明にはなりません。「クエリファンアウト」のように引用元の5件すべてが上位10件内だった語もあり、語によって差があります。

上位10件に入る努力は、今も引用への近道です。

クエリファンアウト実測②197語の95%にAI枠、自社引用は2語

2つ目は、当社サイト layup.info で続けている定点観測の結果です。約190本の記事に対応する197語について、検索順位、AI Overviewの枠の有無、自社記事の引用を毎週月曜に記録しています。

2026年9月15日の計測では、197語のうち187語(95%)の検索結果にAI Overviewの枠があり、当社の記事が引用されていたのは「wixデメリット」と「1次情報」の2語だけでした。

筆者が注目したいのは2語の順位の違いです。「wixデメリット」は自然検索8位の記事でしたが、「1次情報」は自然検索では30位圏外なのに引用されていました。

AIが「1次情報」という語の上位ページだけでなく、関連する別の検索で当社の記事を見つけたと考えられます。

ただし、2日後の9月17日に取り直すと、「1次情報」の引用は外れていました。引用元は日によって入れ替わります。1回の確認で喜んだり落ち込んだりせず、同じ条件で繰り返し測る姿勢が欠かせません。

この実測から、Web担当者の方にお伝えしたい点は2つあります。

  • AI Overviewの枠は、BtoBの専門的な検索語でもほぼすべてに表示されます。
  • 引用は固定の席ではなく、測るたびに変わる前提で管理してください。

クエリファンアウト実測③当社の失敗|149語が30位圏外

3つ目は、当社の失敗の話です。対象197語のうち149語(約76%)は自然検索で30位圏外にあり、AI Overviewに引用される以前に、検索結果にほとんど出ていませんでした。

原因の1つは、1つのキーワードに1本の記事を当てる方針で記事を増やしてきた点にあると筆者は見ています。似た主題の記事がサイト内に分散しており、ホームページのリニューアルに関する記事だけで5本という状況です。

クエリファンアウトでは、AIが関連する複数の問いを同時に検索します。それでも、どの検索でも見つからない記事は回答の材料になりません。

実測②の30位圏外からの引用も、197語のうち1語だけの例外です。検索結果に出ていない記事が安定して引用される状況は、当社のデータでは確認できていません。

Google検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」(最終更新2025年12月31日)も、同じ方向の条件を挙げています。

AI機能のリンクとして表示されるには、インデックスへの登録と検索結果でのスニペット表示が必要です。AI向けの工夫より先に、検索結果に出る状態をつくる必要があると筆者は痛感しました。

同じように記事数を増やしてきた担当者の方は、まず自社の対象語のうち何割が30位以内に入っているかを数えてみてください。当社はこの反省から、30位圏外の記事の書き直しを2026年9月に始め、9月13日〜17日の5日間で17本を公開し直しました。

クエリファンアウト対策の5つのポイント

クエリファンアウトに対応するために、記事づくりを根本から変える必要はありません。変えるのは「1つの検索語に1記事で答える」発想と測り方で、変えなくてよいのは検索結果に出るための基本のSEOです。

根拠は2つあります。1つ目は、Google検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」(最終更新2025年12月31日)の記載です。

このページには、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件は無く、特別な最適化も不要と明記されています。

2つ目は当社の実測です。引用元の65%は同じ検索語の上位10件内にあり、残りの35%は別の検索で見つかったと考えられるページでした。

つまり、上位を目指す従来の取り組みを続けながら、関連する問いにも答える記事へ広げる進め方が理にかなっています。5つのポイントを、変える点と変えなくてよい点に分けて整理しました。

◆クエリファンアウトに対応する記事づくり5つのポイント

ポイント区分内容
変えないインデックス登録とスニペット表示など基本のSEOを続ける
変える関連する問いを見出しに立て、見出しごとに結論から答える
強める自社で測った数字や失敗などの一次情報を入れる
変える似た主題の記事を統合し、内部リンクでつなぐ
加える順位・AI Overviewの枠・自社引用を毎週同じ条件で測る

5つのポイントは、筆者が自社サイトで実際に進めている順番に並べています。上から順に取り組むと、手戻りが少なくなります。

ポイント①検索結果に出るための基本のSEOは変えない

最初のポイントは、基本のSEOを変えないという判断です。Googleは、AI機能のリンクとして表示される条件を公式ページで説明しています

条件は、ページがインデックス(Googleのデータベース)に登録され、検索結果に説明文(スニペット)を表示でき、検索の技術的要件を満たしている状態です。

つまり、AIの回答に引用されるための入口は、通常の検索結果に出るための条件と同じです。 AI専用の設定やファイルを用意する必要は無いと、Google自身が案内しています。

当社は197語のうち149語が30位圏外で、AI向けの工夫を考える前の段階でつまずいていました。

確認する項目は次の3つで十分です。

  • Search Console(Googleが無料で提供する検索データの確認ツール)のURL検査で、記事がインデックスに登録されているかを確かめます。
  • noindexやnosnippetの設定が、意図せず記事に入っていないかを見直してください。
  • タイトルと見出しが、記事の主題と結論を正しく表しているかを読み直します。

たとえば製造業で1人でWebを担当している方なら、製品紹介や技術コラムのうち問い合わせにつながる10本だけでも、この3点を点検すると現状がつかめます。

新しい施策を足す前に、土台の抜けを埋める作業が先です。

ポイント②関連する問いを見出しに立て、結論から答える

2つ目は、記事の構成を変えるポイントです。クエリファンアウトでは、1つの質問が「意味は何か」「仕組みはどうか」「自社への影響は何か」といった複数の問いに分けて検索されます。

記事側は、読者が続けて抱く問いを見出しに立て、各見出しの最初の1〜2文で結論を答える形にすると、個々の問いへの答えとして見つけてもらいやすくなると筆者は考えています。

反対に、結論が段落の最後まで出てこない記事は、AIにも読者にも要点が伝わりません。

関連する問いは、特別なツールが無くても集められます。

  • Googleのサジェスト(検索窓に出る候補)と「他の人はこちらも質問」を書き出します。
  • Search Consoleで、その記事に実際に流入している検索語を確認してください。
  • 営業担当や問い合わせ窓口に、お客様からよく受ける質問を聞き取ります。

当社が岡山の印刷会社や製造業で担当しているSEO内製化研修でも、3つ目の「お客様の質問」を見出しづくりの材料として重視しています。現場の質問には、ツールでは拾えない問いが数多く含まれているためです。

たとえば工場見学の受け入れを案内する記事なら、費用・所要時間・申し込み方法・安全対策を見出しに分け、各見出しの1文目で答えを言い切ってください。

読者にとっても拾い読みしやすい記事になり、AI向けの作業と読者向けの作業が一致します。

ポイント③自社で測った数字や失敗など一次情報を入れる

3つ目は一次情報です。一次情報とは、自社で測った数字、自社で試した結果、失敗の経緯など、その会社にしか書けない情報を指します。

AIは複数のページから情報を集めて1つの回答にまとめます。どのサイトにも同じ一般論が書かれている場合、その中から自社の記事が選ばれる必然性はありません。

同じ説明が並ぶ中で引用する理由をAIと読者の両方に示せるのは、他のページに無い事実です。

当社の「1次情報」の記事が自然検索30位圏外でも一時引用されたのは、その一例だと筆者は見ています。

中小企業のWeb担当者の方が入れやすい一次情報には、次のようなものがあります。

  • 自社の問い合わせ件数やアクセス数の変化を、期間と条件を添えて示してください。
  • 現場で起きた失敗と、その後に変えた手順を書きます。
  • お客様からよく受ける質問と、自社が実際に返している答えを載せる方法も有効です。

大がかりな調査は要りません。この記事の実測も、12の検索語を調べた小さな規模です。数字を出すときは、調べた日付・対象・方法を必ず添えてください。

取引先に関わる数字は、掲載の許可を得たうえで、業種と割合にとどめて特定できない形にすると安心です。

ポイント④記事が分散している方には統合と内部リンクがおすすめ

4つ目は、似た主題の記事が何本もあるサイトの方に向けたポイントです。1キーワード1記事で量産してきた方には、似た記事を1本に統合し、関連する記事同士を内部リンクでつなぐ方法がおすすめです。

理由は、クエリファンアウトが関連する問いをまとめて検索する手法である点にあります。問いごとに記事が散らばっているよりも、1本の記事が複数の問いに答えているほうが、サブクエリのどれかに当たりやすい構造になります。

当社も197語のうち149語が30位圏外という問題を抱えたままです。圏外の記事の書き直しを先に進めており、統合は次の手順で行う計画です。

  1. Search Consoleで、同じ検索語に出ている自社記事を洗い出します。
  2. 内容が重なる記事から、クリックが多い1本を残してください。
  3. 残す記事へ他の記事の独自の内容を移し、見出しを組み直します。
  4. 移し終えた記事には、301リダイレクト(恒久的な転送)の設定が必要です。
  5. 主題が近い別の記事とは、内部リンクでつなぎます。

記事が10本前後の小さなサイトでは、統合の必要が無い場合もあります。その場合は手順5の内部リンクだけを見直してください。転送の設定方法はリダイレクトの記事をご覧ください。

記事数が減る点を不安に感じる方もいますが、読者にとっては1本で疑問が解決する記事のほうが役に立ちます。当社も統合はこれからで、結果は定点観測の数字で確かめていきます。

ポイント⑤順位・AI枠・自社引用を毎週同じ条件で測る

5つ目は計測です。AI Overviewの引用元は日によって入れ替わり、当社でも9月15日に引用されていた「1次情報」が、9月17日には外れていました。

1回の検索結果で判断せず、順位・AI Overviewの枠の有無・自社引用の3点を、毎週同じ条件で記録してください。 同じ曜日、同じ検索語、同じ取得方法でそろえると、施策の前後を比べられます。

◆毎週記録しておきたい3つの項目

項目見る内容使い道
自然検索の順位対象語ごとの順位と30位以内の割合検索結果に出ているかの確認
AI Overviewの枠対象語ごとの枠の有無クリックが減りやすい語の把握
自社引用引用元に自社の記事があるか構成や一次情報の効果の確認

当社はDataForSEOで197語を自動取得していますが、最初は重要な検索語を10語ほど選び、手作業で記録する形でも十分です。

毎週同じ曜日に、ログインしていないブラウザのシークレットウィンドウで検索し、表計算ソフトに書き足してください。

記録が3か月分たまると、記事を直した後に順位と引用がどう動いたかを比べられます。数字で記事を改善する習慣は内製化の土台で、当社の研修の第4回でも扱っている内容です。

クエリファンアウトとは質問を分解し複数の検索を同時に行う手法

ここからは、クエリファンアウトという言葉そのものを整理します。クエリファンアウト(Query Fan-out)とは、AIがユーザーの質問を複数のサブトピックに分解し、それぞれの検索を同時に実行して、結果をもとに1つの回答を組み立てる手法です。

Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(最終更新2025年12月31日)には、AIによる概要とAIモードがこの手法を使う場合があると書かれています。

セミナーや記事で見かける用語ですが、出どころはGoogle自身の説明です。原文の該当箇所は、次のスクリーンショットで確認できます。

Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」のクエリ ファンアウトに関する説明

出典:AI 機能とウェブサイト|Google 検索セントラル(スクリーンショットは筆者取得)

従来の検索との違いを、先に表で確認してください。

◆従来の検索とクエリファンアウトを使うAI検索の違い

比較項目従来の検索クエリファンアウトを使うAI検索
実行される検索入力した検索語で1回関連する複数の検索を同時に実行
結果の見せ方ページの一覧複数の情報源をまとめた回答と引用リンク
表示・引用の候補その検索語で上位のページ別の検索(サブクエリ)で見つかったページも含む
サイト側に必要な条件インデックス登録と内容の質同じ(追加の要件は無い)
記事づくりの要点検索語に合った1ページ関連する問いにも答えるページ

以下では、意味、仕組み、Googleの各機能での使われ方、特許、SEO・LLMOへの影響の順に説明します。

クエリファンアウトの意味と英語表記(Query Fan-out)

クエリファンアウトは英語で「Query Fan-out」と書きます。クエリ(Query)は検索エンジンへの問い合わせ、ファンアウト(Fan-out)は扇のように広がるという意味で、1つの質問が複数の検索へ扇状に広がる様子を表した言葉です。

Google検索セントラルの日本語ページでは「クエリ ファンアウト」と、間に空白を入れて表記されています。「クエリのファンアウト」と書かれる場合もありますが、指している内容は同じです。

身近な例で考えてみます。上司から「来期の展示会に出るべきか調べて」と頼まれた担当者は、この一文のまま調べるわけではありません。

「出展費用」「過去の来場者数」「競合の出展状況」「申込期限」のように問いを分け、それぞれを調べてから報告をまとめるはずです。

クエリファンアウトは、この「問いを分けて調べ、まとめて報告する」作業を、AIが検索の裏側で瞬時に行う仕組みだと理解してください。

分けられた個々の検索は、サブクエリ(派生した検索語)と呼ばれます。ユーザーが入力した言葉ではなく、AIが回答のために自動で作る検索語である点が特徴です。

クエリファンアウトの仕組みは3段階(生成・並列検索・統合)

クエリファンアウトの仕組みは、サブクエリの生成、並列検索、情報の統合の3段階で説明できます。利用者が入力するのは1つの質問でも、裏側では複数の検索が同時に走っている点が最大の特徴です。

◆クエリファンアウトの3段階

段階AIが行う処理「クエリファンアウトとは」と検索した場合の想定例
①サブクエリの生成質問の意図を読み取り、関連する問いに分解する意味/仕組み/SEOへの影響/対策
②並列検索分解した問いを同時に検索し、ページや各種データを集めるそれぞれの問いに合うページを取得
③情報の統合集めた情報を整理し、引用リンク付きの回答にまとめる定義・仕組み・影響を含む1つの回答
クエリファンアウトの仕組みの図解(1つの質問を複数のサブトピックへ分けて同時に検索し、見つかったページから回答を組み立てる)

筆者が作成(Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」の説明をもとに図示・2026年9月)

この仕組みは、Google公式ブログの2025年5月20日の記事で説明されています。

検索部門の責任者であるElizabeth Reid氏は、AIモードが質問をサブトピックに分解し、利用者に代わって多数の検索を同時に発行すると述べました。

Google公式ブログ「AI in Search: Going beyond information to intelligence」のクエリファンアウトとDeep Searchに関する記述

出典:AI in Search: Going beyond information to intelligence|Google 公式ブログ(スクリーンショットは筆者取得)

表に挙げたサブクエリは、筆者による説明用の想定です。実際にどのような検索が発行されたかは、利用者にもサイト運営者にも公開されていません。

サイト運営者にとって重要なのは2つ目の段階です。自社のページは、ユーザーが入力した検索語だけでなく、AIが作った別の検索語でも探されています。

当社の実測のように、引用元と自然検索の順位を照合して間接的に確かめる方法が現実的です。

クエリファンアウトはAIモードとAI Overviewで使われる

クエリファンアウトは、GoogleのAIモード、AI Overview、Deep Searchで使われています。いずれもGoogleの公式情報で確認できる内容で、推測ではありません。

◆Googleの機能別に見たクエリファンアウトの使われ方

機能概要クエリファンアウトとの関係
AI Overview(AIによる概要)通常の検索結果の上部にAIの要約を表示するこの手法を使う場合があると検索セントラルに記載
AIモード検索をAIとの対話形式で行う質問をサブトピックに分解し、多数の検索を同時に発行
Deep SearchAIモード内のより詳しい調査機能同じ手法で数百の検索を発行し、結果をまとめる

AI OverviewとAIモードについての記載は、Google検索セントラル(最終更新2025年12月31日)で確認できます。

AIモードとDeep Searchについては、Google公式ブログ(2025年5月20日公開)に説明があります。

押さえていただきたいのは、検索セントラルが「使う場合がある」と表現している点です。すべての検索でクエリファンアウトが行われるわけではありません。

当社の実測で語によって結果に差が出た背景にも、この違いがあると筆者は見ています。

当社の定点観測では、対象197語の95%にAI Overviewの枠が出ていました。BtoBの専門的な検索語でも、AIの回答が表示される状況はすでに日常です。

クエリファンアウトの特許WO2024064249A1は参考資料

クエリファンアウトに関連する特許として、SEOの解説でよく挙げられるのが国際公開番号WO2024064249A1です。Google LLCが出願し、2024年3月28日に国際公開されました。

原文はGoogle Patentsの公開ページで誰でも確認できます。題名は「Systems and Methods for Prompt-Based Query Generation for Diverse Retrieval」です。

要約を読むかぎり、主題は、大規模言語モデルに少数の例とプロンプト(指示文)を与えて検索クエリを生成し、検索用のモデルの学習に使う方法です。AIモードの動作を直接説明した文献ではありません。

特許に書かれた方法が、そのまま現在の検索に実装されているとは限りません。 特許は、技術の考え方を知る資料として読むのが適切です。

SEOの解説では、サブクエリを細かい種類に分けた一覧も見かけます。ただし、こうした分類はGoogleの公式な発表ではありません。

中小企業のWeb担当者の方が特許を細部まで読む必要はありません。「1つの質問から、意図・比較・言い換えなどの検索が派生する」と押さえてください。

読者の質問の周辺にある問いまで記事で答える方針の、参考にとどめる読み方で十分です。

クエリファンアウトのSEO・LLMOへの影響は引用候補の広がり

クエリファンアウトがSEOとLLMO(AIの回答に自社の情報が引用されるための取り組み)に与える影響は、引用の候補が「入力された検索語の上位ページ」に限られなくなる点です。

当社の実測では、AI Overviewの引用元の35%が同じ検索語の上位10件の外にあり、18%は30位以内にもありませんでした。

影響には良い面と厳しい面の両方があります。

  • 良い面として、狙った検索語で上位10件に入れていない記事でも、関連する問いに的確に答えていれば引用される余地が生まれました。
  • 厳しい面として、1位のページでも回答に必ず引用されるとは限らず、引用元は日によって入れ替わります。
  • 変わらない面として、引用元の65%は上位10件内のページで、順位の重要性は続いている状況です。

中小企業にとって、良い面は小さくありません。大手サイトと同じ検索語で正面から競うだけでなく、自社が詳しい領域の具体的な問いに答える記事で、AIの回答に入り込む余地があります。

一方で、AIの回答だけで用件が済む場面では、クリック数が減る可能性を否定できません。引用リンクから訪れた読者が問い合わせまで進めるように、記事の中で自社の強みと相談窓口を分かりやすく示してください。

変わるのは評価の土台ではなく、見つけてもらえる入口の数だと筆者は捉えています。

SEO・LLMOの内製化なら、株式会社LAYUP

株式会社LAYUP(レイアップ)は、岡山市北区津島新野にある会社です。「ITを通じて企業のできないをできるに」をミッションに、BtoBの中小企業向けにAIエージェント構築研修、SEO・LLMOの内製化支援、Webサイト制作を提供しています。

当社の内製化支援は、記事を代わりに書くのではなく、担当者の方が自分で書き、測り、改善できる状態をつくる研修です。 筆者である代表取締役の光田直史が、岡山の印刷会社や製造業でSEO内製化研修を担当しています。

2026年のシリーズは、次の全4回の構成です。

  • 第1回は、質の高いコンテンツとは何かを扱います。
  • 第2回は、ユーザー行動で評価される記事の書き方がテーマです。
  • 第3回は、AIに引用される記事のつくり方を実践します。
  • 第4回は、数字で記事を改善する方法を身につける回です。

研修で伝える内容は、自社サイト layup.info で試した結果に基づいています。約190本の記事を自社で運用し、197語の検索順位とAI Overviewの引用を毎週月曜に実測してきました。

移転後にアクセス解析の計測が止まった件など、自社サイトの失敗も研修の題材にしています。

AI検索の時代に自社の記事づくりをどう見直せばよいか迷っている方は、SEO・LLMO内製化支援の相談からお問い合わせください。

現状の記事と順位・引用の数字を一緒に確認し、変える点と変えなくてよい点を整理するところから始めます。

クエリファンアウトでよくある3つの質問

クエリファンアウトを知った担当者の方が、次に抱きやすい疑問を3つ取り上げます。いずれも「結局、自社は何をすればよいのか」という判断に直結する内容です。

結論を先にまとめると、特別な最適化は不要で、順位の計測は続ける価値があり、小さなサイトにも引用の余地はあります。

◆よくある3つの質問と答えの要約

質問答えの要約
AI向けの特別な最適化は必要か不要です。Googleが公式に追加の要件は無いと説明しています
順位を追う意味はもう無いかあります。引用元の65%は上位10件内で、30位圏外は候補になりにくい状況です
小さなサイトでも引用されるか余地はあります。当社も30位圏外の記事が一時引用されました

それぞれの質問には、筆者が原文を確認したGoogleの公式情報か、当社の実測のどちらかを根拠として添えました。

不安をあおる情報に振り回されず、社内で方針を説明するときの材料としても使ってください。

質問①クエリファンアウトにAI向けの特別な最適化は必要ですか?

特別な最適化は必要ありません。根拠は、Googleの「AI 機能とウェブサイト」(最終更新2025年12月31日)です。

このページでGoogleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件は無く、別途特別な最適化を行う必要も無いと説明しています。

必要なのは、インデックスに登録され、検索結果にスニペットを表示でき、検索の技術的要件を満たすという、従来からの条件です。

Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」の追加の要件は無い旨の記述と、AI機能での表示に関する技術要件

出典:AI 機能とウェブサイト|Google 検索セントラル(スクリーンショットは筆者取得)

「AI専用のファイルを置けば引用される」「特殊なタグが必須」といった情報を見かけたら、Googleの公式情報に同じ記述があるかを先に確かめてください。

当社も、公式情報で確認できない施策には時間を使わず、読者の問いに答える記事づくりと計測に集中しています。

関連する問いに見出しごとに結論から答え、自社にしか無い一次情報を入れる作業は、AI向けの裏技ではありません。読者の役に立つ記事づくりが、結果としてサブクエリでも見つけてもらえる記事につながると筆者は考えています。

質問②AI Overviewが出るなら順位を追う意味は無いですか?

順位を追う意味は今もあります。当社の実測では、AI Overviewの引用元65件のうち65%が同じ検索語の上位10件内のページでした。 当社サイトで引用が確認できた「wixデメリット」も、自然検索では8位の記事です。

加えて、30位圏外の記事は、AIに引用される以前に検索結果に出ていません。当社は197語のうち149語がこの状態で、順位を測っていたからこそ問題の大きさに気づけました。

変えるべきなのは、順位だけを見る管理です。順位、AI Overviewの枠の有無、自社引用の3つを同じ表で記録すると、「順位は高いのに引用されていない記事」や「順位は低いのに引用された記事」が見えてきます。

こうした記事を調べる作業が、次の改善の手がかりです。問い合わせ数とあわせて見ると、打ち手の優先順位も決めやすくなります。

質問③中小企業の小さなサイトでもAIに引用されますか?

小さなサイトでも引用される余地はあります。当社の実測では、引用元の18%が同じ検索語の30位以内にも無いページで、当社自身も30位圏外の記事がAI Overviewに引用された日を確認しました。

クエリファンアウトでは、AIが具体的に絞り込んだ問いでも検索を行います。大手サイトが広い主題を扱う一方で、中小企業は自社の業種や地域、製品に関する具体的な問いに、現場の経験をもとに答えられる立場です。

ただし、過度な期待は禁物です。当社でも197語のうち引用が確認できたのは2語で、引用は2日後に入れ替わりました。

まずは検索結果に出る記事を増やし、自社にしか書けない一次情報を1本ずつ加え、毎週測る順番で進めてください。

まとめ|クエリファンアウトへの対応は基本のSEOと一次情報から

クエリファンアウトは、AIが質問をサブトピックに分解し、複数の検索を同時に実行して回答を組み立てる手法です。当社の実測でも、AI Overviewの引用元65件のうち23件(35%)は、同じ検索語の上位10件に入っていませんでした。

記事づくりで変えるべき点は多くなく、検索結果に出るための基本のSEOを守ったうえで、関連する問いへの答えと一次情報を足していく進め方が近道です。 Googleも公式に、AI による概要やAIモードに表示されるための特別な最適化は不要と説明しています。

本文で紹介した5つのポイントを、取り組む順番のまま再掲します。上から順に確認し、自社でまだ手を付けていない項目から始めてください。

  • ポイント①検索結果に出るための基本のSEOは変えない
  • ポイント②関連する問いを見出しに立て、結論から答える
  • ポイント③自社で測った数字や失敗など一次情報を入れる
  • ポイント④記事が分散している方には統合と内部リンクがおすすめ
  • ポイント⑤順位・AI枠・自社引用を毎週同じ条件で測る

補足として、この記事の数値は2026年9月時点の当社の実測で、対象は12語と197語に限られます。引用元は日によって入れ替わります。短期の増減で判断せず、自社の検索語でも同じ方法で数か月単位の記録を比べてください。

AIが実際にどのようなサブクエリ(分解された検索語)を発行したかは、筆者が確認した範囲ではSearch Consoleなどサイト運営者向けの画面に表示されません。

正解のサブクエリを当てにいくよりも、読者が次に抱く問いを営業やお問い合わせの現場から拾い、見出しに反映するほうが現実的です。

最初の一歩として、自社の主要な検索語を10語ほど選び、AI Overviewの枠の有無と引用元を目で確認してみてください。

同じ条件で測り続ければ、AI検索の変化に振り回されず、自社で打ち手を判断できるようになります。記事の統合の進め方や、順位とAI Overviewの測り方で迷ったときは、当社のSEO・LLMO内製化支援をご活用ください。

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