
製造業のSEOに取り組みたいものの、技術用語の検索数は少なく、展示会と紹介に頼る営業から抜け出せずにいませんか。結論、製造業のSEOは技術用語の「とは」を1記事1テーマで積み上げれば、地方の中小メーカーでも検索の入口を作れます。
当社が2025年11月からコラムを運用する製造業のクライアント(部品メーカー)では、10か月で検索表示回数が約12倍に増えました。成果を出すステップは次の5つです。
- ステップ①問い合わせを数える計測を先に整える
- ステップ②技術用語の「とは」と表記ゆれで検索語を棚卸しする
- ステップ③技術者の一次情報を1記事1テーマで書く
- ステップ④公開後は実測順位で月1回リライト先を決める
- ステップ⑤社内で判断できる担当者を育てて運用を残す
この記事では、同社の実例3つ、5つのステップ、よくある誤解、当社の支援、よくある質問の順で解説します。
目次
製造業のSEOで表示12倍になった部品メーカー3つの実例
製造業のSEOは、技術用語を1記事1テーマで解説するコラムを積み上げると、10か月で検索表示回数が12倍になる実例があります。大企業の成功例ではなく、地方の従業員100〜200名規模の部品メーカーで、当社が実際に運用して得た数字です。
同社は金属の精密部品を製造する会社で、2025年11月からコラムの企画・制作・運用を当社が担当しています。ここで紹介する数字はすべて、同社のSearch ConsoleとGA4、当社が計測した検索順位の実測値から取っています。
3つの実例のうち、最後の1つは成果ではなく失敗談です。数字が伸びても問い合わせを数えられなかった経験こそ、これから製造業のSEOを始める会社に最初に伝えたい内容です。
◆製造業クライアントのコラム運用の実績(2025年11月〜2026年8月・開始月を1とした倍率)
| 項目 | 開始月(2025年11月) | 最大月 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 検索表示回数(月) | 1 | 約12倍(2026年6月) | |
| 検索クリック数(月) | 1 | 約3.9倍(2026年7月) | |
| 対象語の順位(2026年9月10日実測) | ― | 10位以内 約7割・1位 約3割 | 社名検索を除く |
| AI Overviewの引用 | ― | 対象語の約8割で引用元に表示 | 同日実測 |
| 問い合わせ数 | 計測なし | 計測なし | フォーム未設置 |
事例①コラム15本で検索表示が10か月で12倍
同社の技術コラムは、自社の中核技術に関わる用語の「〇〇とは」の解説を1記事1テーマで15本公開したものです。検索表示回数は開始月から2026年6月に約12倍へ、クリック数は7月に約3.9倍へ増えました。

筆者が作成(当社が運用するクライアントサイトのSearch Consoleの実測データ)
注目してほしいのは、開始から3か月目まではクリック数が開始月とほぼ同じ水準で横ばいだった点です。4か月目の2026年3月に約1.7倍へ動き、5か月目の5月に約3.6倍へ伸びました。
2026年9月10日の実測では、対象語の約7割が10位以内、社名検索を除く約3割が1位でした。同社の中核技術に直結する用語が1位に並んでいます。
事例②AI Overviewの引用元に対象語の約8割で表示
同じ実測で、AI Overview(検索結果の上部にAIが表示する要約)が出た語の約8割で、同社のコラムが引用元として表示されていました。素材の性質や金型の保守に関する語で、AIの回答に自社のページが根拠として示されている状態です。
同社のコラムでは、AI検索向けの特別な対策は何もしていません。技術用語の定義を最初の段落で言い切り、物性の数値は自社サイトの公開範囲と公的資料で裏取りして書く、という通常のSEOの書き方を守っただけです。
GA4で見るAI経由の流入は月数十ページビューとまだ小さい数字です。それでも、AIに答えを聞く設計者や購買担当者の画面に同社の名前が出ている事実は、製造業のSEOがAI検索の時代にも効く根拠になります。
事例③月2,000人が読んでも問い合わせを数えられなかった
筆者の失敗談です。同社のサイトは月2,000人を超える読者が訪れる状態になりましたが、問い合わせフォームが無くメールと電話だけだったため、GA4のコンバージョン(成果につながる行動)は全期間ゼロのままでした。
読者が増えた後でこの状態に気づき、コラムの成果を経営の数字で説明できない期間が続いています。2026年7月の深掘り調査で、計測の正常化を記事よりも優先する提案に切り替え、現在はサイトのリニューアルと同時にフォーム設置とメール・電話クリックの計測を整えているところです。
製造業のサイトは問い合わせが電話とメールに集中しやすく、この失敗は珍しくありません。記事を書く前に計測を整える、という次のステップ①は、この経験から最初に置いています。
製造業のSEOで成果を出す5つのステップ
製造業のSEOは、計測を整えてから検索語を棚卸しし、技術者の一次情報を記事にして、実測で直し、社内に運用を残す順番で進めると成果につながります。当社が同社で実際に踏んだ手順を、失敗から学んだ順番に並べ直したものです。
◆製造業のSEOで成果を出す5つのステップ
| ステップ | やること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| ① | 問い合わせを数える計測を整える | フォーム・電話・メールの計測が動いているか |
| ② | 技術用語の「とは」と表記ゆれで検索語を棚卸しする | 自社の中核技術の語が一覧にあるか |
| ③ | 技術者の一次情報を1記事1テーマで書く | 設備・工程・数値が自社の事実か |
| ④ | 公開後は実測順位で月1回リライト先を決める | 表示が多く順位が6〜20位の記事があるか |
| ⑤ | 社内で判断できる担当者を育てて運用を残す | 外部が抜けても翌月の記事が出るか |
ステップ①問い合わせを数える計測を先に整える
最初にやることは記事を書くことではなく、問い合わせを数えられる状態を作ることです。問い合わせフォームの設置と送信の計測、電話番号とメールアドレスのクリック計測、カタログや資料PDFのダウンロード計測の3つを、GA4のキーイベント(成果として数える操作)に登録してください。
事例③のとおり、当社はこの順番を間違えました。読者が月2,000人を超えても、経営者に「コラムで何件の引き合いが来たか」を答えられない状態は、社内の理解を得るうえで大きな損失です。
製造業のサイトは電話とメールでの問い合わせが多く、フォームだけを数えると実態より少なく見えます。計測が整うまでの間は、営業担当が受けた引き合いの件数を自社側で記録し、月次で突き合わせる運用をおすすめします。
ステップ②技術用語の「とは」と表記ゆれで検索語を棚卸しする
次に、自社の中核技術に関わる用語を「◯◯とは」の形で書き出し、表記ゆれも含めて一覧にします。同社では同じ技術用語が2通りのカタカナ表記で検索されており、表記ゆれの側にも対応した後、その語のクリックが1か月で約2倍に増えました。
検索数の少なさは気にしないでください。同社の対象語の多くは月間検索数が数十〜数百回ですが、検索する人は設計者や購買担当者に限られるため、1件の問い合わせが数百万円の取引につながります。
棚卸しの優先順位は、検索数の多い順ではなく受注に近い順で決めます。自社が最も得意で、利益率が高く、見積もりから加工までを社内で完結できる技術の語から書き始めてください。
ステップ③技術者の一次情報を1記事1テーマで書く
記事は1本につき1つの技術用語に絞り、社内の技術者が持つ一次情報を必ず入れます。Googleは、コンテンツが実体験や深い知識を明確に示しているかを、有用なコンテンツの自己評価の質問に挙げています。

出典:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成|Google 検索セントラル(スクリーンショットは筆者取得)
一次情報とは、保有設備の台数と型式、加工できる寸法や公差、工程の順番、認証の取得年、技術の由来といった、自社にしか書けない事実です。同社の記事では、記事1本につきこの種の事実を最低1つ入れるルールを決めています。
物性や規格の数値は、自社サイトで公開している範囲か、公的機関の資料で裏取りしたものだけを使い、出典を本文に書きます。当社がE-E-A-Tの評価を上げる方法として教えている内容も、この一次情報の扱いが中心です。
ステップ④公開後は実測順位で月1回リライト先を決める
公開した記事は、月1回、実際の検索結果での順位を計測してリライトの優先順位を決めます。Search Consoleの平均掲載順位だけで判断すると、実測より高く見える記事があるため、当社は順位計測サービスで対象語を毎月スキャンしています。
同社では2026年9月の実測で、金型に関する2つの語が、平均掲載順位5.9位と7.5位に対して実測では18位と28位でした。表示回数が月2,000回前後あるこの2記事を、リライトの優先候補にしています。
リライトの中身は、検索者が求める見出しの追加、表記ゆれの吸収、古くなった数値の更新の3つが中心です。新規記事と既存記事のリライトを組み合わせる運用にすると、記事数を増やし続けなくても表示回数を伸ばせます。
ステップ⑤社内で判断できる担当者を育てて運用を残す
最後に、外部の支援が終わっても翌月の記事が出る状態を作ります。製造業のSEOは技術者の知識が命であり、社外のライターだけでは一次情報を出し切れないため、社内に判断できる担当者を置く運用が長続きします。
同社ではライターが下書きを作り、技術内容を社内で確認する分担です。筆者が専門家派遣で関わる別の金属加工会社では、AIで作った下書きに社長が赤を入れる方法で、社内に記事を書く仕組みを残す形を取っています。
当社のSEO内製化研修は、この担当者を育てるための講座です。外部に任せきりにした会社と、社内で判断基準を持った会社の差は、1年後の記事の本数と質に表れます。
製造業のSEOでよくある3つの誤解
製造業のSEOには、始める前にあきらめてしまう誤解が3つあります。いずれも当社が製造業クライアントで実測した数字と、Googleの公式ドキュメントで否定できる内容です。
誤解①検索数が少ない技術用語は狙う価値がない
検索数が月数十回の技術用語でも、狙う価値は十分にあります。同社で1位の語の一つは、2026年7月に月数クリックでしたが、加工の不良に困っている設計者や品質担当者がその場で読む語です。
製造業の検索は、一般消費者の検索と違って母数が小さく、検索する人の職種が限られます。月数十回の検索の中に、数百万円の案件の担当者が含まれている点が、検索数の多い一般語との違いです。
検索数の少なさを理由に技術用語を外すと、競合も少ない領域を自分から手放すことになります。まずは中核技術の語を1位にしてから、周辺の語へ広げてください。
誤解②技術情報を公開すると競合に真似される
技術用語の解説記事を公開しても、加工のノウハウそのものが流出するわけではありません。同社の記事に書いているのは、用語の定義・物性の数値・工程の考え方・自社の設備と認証であり、いずれも見学や商談で最初に説明する範囲です。
むしろ公開しない会社は、検索した設計者に存在を知られないまま、公開している競合に問い合わせが流れます。2026年9月13日に当社が「製造業 SEO」の上位5記事を確認したところ、3記事が自社の支援先の社名と成果を公開しており、公開が不利に働いている様子はありませんでした。
守るべきノウハウは、条件出しの数値や顧客名など、記事に書く必要のない部分です。書く範囲と書かない範囲を最初に決めておけば、技術者も安心して情報を出せます。
誤解③AI検索が広がるとSEOは効かなくなる
AI検索が広がっても、製造業のSEOの基本は変わりません。Googleは、AI OverviewやAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件は無く、特別な最適化も必要ないと公式に説明しています。

出典:AI 機能とウェブサイト|Google 検索セントラル(スクリーンショットは筆者取得)
事例②のとおり、同社は通常のSEOの書き方だけで、対象語の約8割でAI Overviewの引用元に表示されています。定義を最初の段落で言い切り、数値に出典を付ける書き方が、そのままAIに引用されやすい形です。
AI経由の流入は現時点で月20〜30ページビューと小さく、検索クリックの数百件とは桁が違います。AI検索を理由に対策を止めるより、通常のSEOを続けたほうが両方の入口を確保できます。
製造業のSEO内製化なら、株式会社LAYUP
私たち株式会社LAYUP(岡山市北区津島新野)は、製造業を含む岡山の中小企業に、社内でSEOを判断して回せる担当者を育てる「SEO内製化・インハウス化研修」を提供しています。この記事の5つのステップは、当社が部品メーカーのコラム運用と、岡山県産業振興財団の専門家派遣で関わる製造業各社の支援で実際に踏んだ手順です。
研修は講義6回・受講2名までで、期間は2〜6か月から選べます。料金は6か月プランで月額10万円〜(税別・初期費用無料)、対面とオンラインを組み合わせた形式で行います。
◆株式会社LAYUPのSEO内製化・インハウス化研修の内容
| 回 | 内容 |
|---|---|
| 1 | SEOの基本と変遷 |
| 2 | ペルソナと対策キーワードの設定 |
| 3 | SEO記事の構成の作り方 |
| 4 | SEO記事のライティング |
| 5 | CVR(成約率)改善のコツと見るべき指標 |
| 6 | 研修終了後に自走するための業務設計 |
研修を受けた株式会社協同プレス様からは、見るべき指標と確認すべき項目が明確になり、感覚で進めていた施策を判断基準をもって検討できるようになったと評価をいただいています。
筆者(代表取締役 光田直史)は岡山の高校を卒業し、運送や不動産の仕事を経て、IT企業の製造部門で8年間勤務したのち、2022年に独立しました。製造の現場で働いた経験があるからこそ、技術者の知識を記事にする難しさと価値の両方を理解しています。
「自社の技術で何を書けばよいか分からない」という段階からでもご相談ください。自社サイトの計測状況と技術用語の棚卸しから一緒に整理します。無料相談はこちらからお申し込みいただけます。
製造業のSEOでよくある3つの質問
製造業のSEOを検討している経営者や担当者から当社によく寄せられる質問は、次の3つです。特に成果が出るまでの期間は、社内で予算を通す前に必ず共有しておいてください。
質問①成果が出るまでどれくらいかかりますか?
当社が運用する製造業クライアントでは、コラム開始から3か月間はクリック数が横ばいで、4か月目から伸び始め、7か月目に開始月の3.9倍になりました。
GoogleもSEOスターターガイドで、変更の反映には数時間から数か月かかり、一般的には数週間待ってから確認するよう説明しています。
最初の3か月で判断せず、半年を目安に計測の数字を追いかけてください。伸び始めた後も、8月のように季節要因で一時的に落ちる月があります。
質問②費用はどのくらい見ればよいですか?
費用は、外部に任せる範囲によって月数万円から数十万円まで幅があります。2026年9月13日に当社が岡山のSEO会社12社の公式サイトで確認した公開料金は、月9,800円の目安から月52.8万円まで開きがありました。
当社のSEO内製化研修は6か月プランで月額10万円〜(税別)です。外注費を払い続けるか、社内に運用を残すかで、2年目以降の費用は大きく変わります。
依頼先の選び方は岡山でSEOを依頼する前に確認する5つのポイントにまとめています。見積もりを比べる前に、任せる範囲と成果の測り方を決めてください。
質問③技術者が忙しくて記事を書けません。どう進めますか?
技術者に記事を書いてもらう必要はありません。技術者の役割は一次情報の提供と技術内容の確認に絞り、下書きはライターかAIが作る分担にすると、月2本の運用が現実的になります。
当社の支援先では、技術者への短いヒアリングで設備・工程・数値を聞き取り、その内容をもとに下書きを作って確認を依頼する形を取っています。確認の赤入れは、技術者にとって書くより負担が小さい作業です。
社内に担当者を置けない場合は、まず外部と一緒に進めながら、記事の型と判断基準を社内に残す形をおすすめします。
計測から始めて製造業のSEOを社内の資産にしよう
製造業のSEOは、技術用語の「とは」を1記事1テーマで積み上げれば、地方の中小メーカーでも検索表示を10か月で12倍にできます。進める順番は次の5つです。
- ステップ①問い合わせを数える計測を先に整える
- ステップ②技術用語の「とは」と表記ゆれで検索語を棚卸しする
- ステップ③技術者の一次情報を1記事1テーマで書く
- ステップ④公開後は実測順位で月1回リライト先を決める
- ステップ⑤社内で判断できる担当者を育てて運用を残す
製造業のサイトは、パソコンからの閲覧とBing経由の流入が消費者向けサイトより多い傾向があります。GA4の集計は検索エンジン別に分けて見ると、施策の効果を読み違えません。
この記事の要点は次の4つです。
- 部品メーカーのコラム15本で、検索表示は10か月で約12倍に増えた
- 通常のSEOの書き方だけで、対象語の約8割がAI Overviewの引用元に表示された
- 問い合わせを数える計測を整えないと、成果を経営の数字で説明できない
- 検索数の少ない技術用語ほど、問い合わせに近い読者が検索している
まずは自社サイトで問い合わせを数えられているかを確認し、中核技術の用語を「◯◯とは」の形で10個書き出してみましょう。社内でSEOを回せる体制づくりから始めたい場合は、株式会社LAYUPの無料相談をご利用ください。